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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.57

耳の中をのぞいて見て下さい

色々な病原菌がいます

3月のこえを聞くと春がそこまできている感じがします。特に今年の冬は雪が多かったので待遠しいですね。 今回は耳のお話をします。最近都会では耳かきサロンなるものができ、企業戦士たちを癒しているようです。動物たちも本来は耳を触ってもらうのは気持のいいものだと思います。  しかし、耳の中にトラブルが発生するとカユミや痛みが出て、触られることが逆に嫌な事になってしまい、場合によっては飼主さんをかじったりすることもあります。  早くそのストレスを解放してあげたいですね。言葉がしゃべれない動物たちは何かしらの行動で私たちに訴えています。耳をかいてみたり、耳や頭をカーペットや雪にこすりつけたりしています。いつもはしない素振りを繰り返す場合は何かあります。

耳をそっと触ってみて下さい。いきなり耳をつかまないで、撫でながらやって下さい。そして、できたら耳の中をのぞいて見て下さい。そして臭いも嗅いで下さい。正常ならほとんど耳あかはありません。耳の皮膚も赤くありません。そして臭いもほのかにある程度です。  少しでも耳が赤くなり、耳あかが出てきたり、臭いが酸っぱくなったり、化膿臭がしてきたら異常です。うちの病院の外来の約1割は耳関係です。結構な割合です。

その原因はミミヒゼンダニ、酵母菌のマラセチア、各種細菌が多いです。ダニはダニを持っている動物からうつることがほとんです。外で飼っている犬や猫は感染しているかもしれませんので、新しく家に入れる場合は注意が必要です。強烈なカユミと焦げ茶色の耳あかが特徴です。  多くの場合1回の治療で治りますが、感染数が多い場合は繰り返しの治療が必要となります。マラセチアはある程度は健康な動物でも持っています。

しかし、シャンプーの水が入ったり、アトピーがあってすぐ耳の炎症を起こしやすい子はマラセチアが増殖し、症状が出てきます。放っておくと耳の中に潰瘍が出来てきたりします。  治療は毎日の洗浄や点耳が必要です。結構しつこいです。細菌性のものは耳に傷が入ったり、前述の病原菌でひどくなったりすると細菌が増えてきます。抗生剤の内服と点耳が基本です。

動物の性格や飼主さんがどこまでできるかによって治療法も変わる場合があります。それぞれのケースにあわせた治療を獣医さんと相談して決め、できるだけ早く動物たちのイライラと苦痛を取ってあげてください。  耳の治療をしただけで性格が穏やかになった犬もいますよ。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2009年3月号掲載

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