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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.33

いろいろ教えてくれるペットたち

〜2年間の闘病を終えたCちゃん〜

今年も1ヶ月たち、いろいろな目標にむかって歩き始めたところです。みなさんはいかがお過ごしですか。

今回はいつもと違ったことを書きましょう。毎日たくさんの病気になった動物達(飼い主さん)が助けを求めて動物病院に来られます。もの言わぬペットを相手ですので飼い主さんと会話し、5感を使って動物たちを診て、そして飼い主さんの意向を聞きながら、ペットにとって最善のことをしてあげようと診察をしています。飼い主さんのペットへの愛情は強く、私たち獣医師の想定以上のこともあり、そんな場合自分の不甲斐なさを痛感することがあります。スタッフにも言っているのですが「飼い主さんに教えられる」場合が多々あります。

そんな経験のお話を一つしましょう。ちょうど2年前かなり大きな乳癌を持ったワンちゃんが来院されました。その大きさは頭ほどもあり、肺のレントゲンを撮ってみるとすでに肺に転移しているのが確認できました。予測されることを説明しましたが飼い主さんは手術を希望されました。そしてその巨大な腫瘍とその他にもできていた腫瘍を取り、手術後の抗がん剤や免疫療法も規定量までやりました。遠距離から通われていましたが約束通りに来院され、少しでも心配なことがあればその都度電話をいただきながら進めていきました。

そしてその子のために良いと思うことは何でもしてあげていました。サプリメント、食事療法、酸素吸入など。私も学会などで情報を仕入れこの子にいいかと思うことは飼い主さんに説明して使ってみました。週に2,3回必ず来院されました。夏も冬も雨の日も雪の日も通われました。ワンちゃんも思いが通じたのか頑張ってくれて1年半ぐらいは順調に過ごしました。

しかし昨年の秋ごろから肺の転移先が少しずつ悪さをし始めました。飼い主さんはあきらめず今まで以上に一生懸命に声をかけ、手をかけて看ていかれました。私でもできないくらいの看護をやられ本当に頭が下がる思いでした。飼い主さんと犬との関係・絆ってこれほどまでに強いのかと教えられました。2年間の闘病、飼い主さんお疲れさまでした。Cちゃんいろんなことを教えてくれてありがとう。

この子だけでなくたくさんの動物たちとその飼い主さんたちにいろんなことを教えていただいています。どこまでお返しができるかわかりませんがまた頑張りますか。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2007年2月号掲載

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