グラコムネット(北見市の無料宅配情報誌サイト)

ペット保険の一括資料請求【無料】

ペット広場タイトル

グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.30

冬にむけて

寒さ対策

11月の声を聞くと人も少しずつ冬支度をはじめますよね。冬服の準備、冬タイヤの履替えなど何かと忙しくなります。
今回はペットたちの冬にむけた注意事項をかきます。本格的な冬を目の前に、特に気をつけておきたい病気の話をしておきましょう。なんといっても猫の風邪が筆頭ですが、以前(vol.18)に書きましたので簡単にだけ書いておきます。特に外に出掛ける猫達に多く発生しますので要注意です。

感染経路はいずれも罹患猫との接触や人の手や器具による間接的接触、そして空気感染です。症状は食欲不振、元気消沈、発熱、クシャミ、鼻水、目やになどで人の風のひどくなったものに似ています。
治療は猫は特にストレスに弱い動物ですので、自宅療法か通院がいいと思います。食欲廃絶やひどい脱水症状の場合は入院も必要となります。外は感染の危険性が多いのでできるだけ出さない方がいいでしょう。そしてワクチンをうけておいてください。

そして、犬の甲状腺機能低下症について書きましょう。甲状腺は頸部にある小さいですが重要な内分泌器官です。ここからいわゆる元気ホルモンが出て、体中のほとんど全ての細胞の機能を促進するのに役立っています。
しかし、中年以降になると何らかの原因で甲状腺が萎縮し、ホルモンの減少から様々な症状を発現します。脱毛、筋力の低下、嗜眠、寒がる、足先が冷たい、覇気がなくなるなど全身の代謝が減退します。あまり食べないのに体重が増えてくることで飼い主さんが気づくことが多いです。

さらに進むと心血管系の異常から心電図の低電位化、除脈がおこったり、粘液水腫性の昏睡もおこしてきます。代謝率の低下ため熱産生が障害され、体温維持が困難になります。そのため典型的な甲状腺機能低下症の犬では低温に耐えられず、熱を求めるようになります。
しかし、冬の気温はあまりにも低くそれを補うことはできません。特に高齢の犬で外飼いの子がこの病気になるといわゆる「シバレ犬」になり、昏睡状態で運ばれてきます。こうなると緊急処置と確定診断のための様々な検査が必要となってきます。中には死亡する場合もあります。

そうならないためにも小屋の中に毛布を一枚入れておくとか風よけを用意しておくとか、夜は家の中に入れてあげるなど寒さ対策を十分にとってあげて下さい、
また、日頃から前述した症状がないかと観察したり、8歳(人の50歳前後)頃から健康診断を受けておくのもいいと思います。早期に診断された場合は甲状腺ホルモンを内服するだけで済みます。
そういえば私も最近めっきり寒さに弱くなったなあ。甲状腺も弱くなったか健康診断でもしておきますか。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2006年11月号掲載

前へ  次へ