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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.31

ペットたちのおしっこ、いつもより黄色くありませんか?

肝臓、胆管の病気

年末にいよいよなりましたね。何かと人々が忙しくなり、ペットたちもそわそわしてませんか。
雪が降ってきますとペットたちを散歩に連れて行かれる方はおしっこの色がよくわかりますね。最近いつもに増して黄色くなっていませんか?そしてその子は白目も黄色くありませんか?ひょっとしたら黄疸になっているかもしれませんよ。

黄疸の原因は血液の中の赤血球がこわれて溶血している場合と肝臓が悪くなっている場合と胆嚢・胆管が悪くなり胆汁が出にくくなっている場合があります。今回は肝臓と胆管の病気について書きたいとおもいます。
というのも私たち小動物獣医師の学会で最も大きな動物臨床医学会の今年の消化器分科会のテーマが胆嚢・胆管の病気であり発表もたくさんあったので皆さんへ簡単にお伝えしようと思ったからです。

まず肝臓について。犬アデノウイルス感染による伝染性肝炎がありますが最近はワクチンを打っておられる方がほとんどなので発生はあまりありません。
そのほか肝炎を起こすようなウイルスはあまりないと言われ、人と違うところです。細菌や薬剤などで肝炎を起こすことはたまにあります。そして肝細胞ガンや胆管ガンでも黄疸を起こす場合があります。

胆嚢・胆管の病気について。肝臓で処理された老廃物や消化酵素を含んだ胆汁は一部を胆嚢に溜め、胆管を通って十二指腸に出て行きます。この部分(胆道)の手術が最近日本中で増えているようです。胆汁の90%はコレステロールから合成される胆汁酸ですが、この胆汁酸に何らかの変化があるようです。ペットフード、各種サプリメントの問題も指摘されていましたがまだはっきりとした原因はわかっていません。
またコレステロールが高くなると胆道系の病気が多くなることは明らかなようです。肥満、甲状腺機能低下症、高脂血症のペットたちは要注意です。とくにシェルティ、ミニチュアシュナウザー、プードルの発生が多いようです。胆汁がどろどろになり、固まり、なかには胆石になる場合もあります。症状は嘔吐、下痢、黄疸、発熱などです。

軽い症状を繰り返す場合がほとんどですが胆石がつまったり、胆嚢破裂が起こると激烈な症状となり、手術をしても約半分は亡くなってしまうようです。
日ごろの食餌管理、適度な運動、おしっこの観察が大切になりますね。寒く長い冬ですがどうか健康に過ごしてください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2006年12月号掲載

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