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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.27

最近、めっきりお腹が出てきたんです…

癌ではないですよね

短い夏楽しんでいますか?私はお腹が出ないようランニング再開しました。

さて今回はお腹の話をしましょう。犬も猫も概ね7歳以降になってから、お腹が膨らんできたら要注意です。お腹が膨らむということは腹腔脂肪の増加、肝臓・脾臓・腎臓など内臓の腫大、液体の貯留、異常ガスの発生が考えられます。
腹腔脂肪の蓄積はメタボリックシンドロームで有名になってしまいましたが、ペットたちにもたくさんいます。ただの食べ過ぎだけならまだいいのですが、ホルモンの病気のこともありますので気をつけてくださいよ。
顔や背中そして足の筋肉は落ちて、お腹だけが目立ってくるペットたちがいます。中年になってからなってくるとどうしても腫瘍のことを考えておかなければなりません。特に肝臓は大きな臓器でこれが腫瘍になるととても重く、腫瘍にエネルギーを取られ、解毒機能も落ちてきます。
しかし肝臓は「眠れる臓器」と言われ相当悪くならないと症状が出ないので、飼主さんは気付くことが難しいと思います。定期的な血液検査と超音波検査を是非ともお薦めします。
また肝臓の右側に腫瘍ができた場合、大きな血管との関係で手術が難しくなります。腫瘍のできている場所が確定できない場合はCT検査をやった方がいいと思います。しかしCTがある機関はまだ少なく当院では道内3大学、釧路の開業医まで検査に行っていただいております。飼主さんの動物への愛情に敬服します。
腹水もよくみかけます。心臓病、肝硬変、栄養不足からくる腹水は比較的きれいな淡い色をしてます。鳥の骨や何か異物を食べて消化管を傷つけたり、消化管の腫瘍が割れて、炎症がお腹いっぱいになる場合はとてもニオイのきつい汚い腹水になってきます。出血性の腹水は緊急対応になります。
肝臓・脾臓の破裂は比較的多く遭遇します。どんどん貧血が進行していきますので、輸血用の犬または猫に働いていただきます。血液型を調べておいて採血しておき手術を進めていきます。出血場所を早急に見つけ、止血後取れるものは取ります。十分に洗浄しますが、多くは腫瘍が絡みますので既にお腹中に腫瘍が飛んでしまう状態になります。
中年腹が気になる年齢になりましたら、まずはお腹の超音波検査をお薦めします。何か見つかるかもしれません。
中年太りと言われたペットの皆さん、私と共にダイエットしましょう。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2006年8月号掲載

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