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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.22

ふんばる格好をとるんですが…

便・尿・肛門・前立腺?

今年は雪も多く、そして寒いですね。外で飼っている高齢の犬たちの防寒対策おねがいしますね。いわゆる「しばれ犬」にならないように気をつけましょう。

今回は異常な姿勢について書いてみます。「最近ふんばる格好が多いですが…」と病院に連れて来られる犬猫は結構います。このポーズはどんな意味があるのでしょう?
多くの方が「便秘なんですけど」と訴えて来られます。もちろん便秘のこともありますがその他にも隠された病気の場合があります。まず排尿障害。猫の方が多いですが膀胱炎や膀胱結石そして膀胱癌や尿道腫瘍で排尿痛や残尿感でふんばる姿勢をとります。
猫の外来の約1割がこの関連だと言われており、多くの場合は少しずつ尿がでていますが、全く出なくなる場合は緊急処置が必要となります。
次に肛門周辺の病気。排便がスムースにいくように直腸はまっすぐになるように靱帯や筋肉で支持されています。
しかし、その筋肉が薄くなり支えがなくなって直腸が蛇行してウンチが出づらくなることがあります。会陰ヘルニアといいますが、特に高齢の去勢をしていない雄犬に多く発生します。同じく雄に多いのが肛門周囲腺腫瘍です。
肛門の球状のしこりですが悪性のことも多く、炎症を伴うと痛みからふんばる格好をします。早期に処置をしないと腫瘍が骨盤腔に入り込み排便排尿障害を起こします。
直腸をお腹の中で圧迫するものがある場合もふんばります。高齢犬の前立腺腫大。単純な肥大がほとんどですが中には前立腺膿瘍、腫瘍のこともあります。未避妊やお産歴が少ない雌犬にできやすい子宮筋腫も子宮体部に大きなものができますと直腸を圧迫し、ふんばる姿勢をとります。
直腸にできものができる場合もふんばります。ポリープ、腺癌、リンパ腫など比較的多くみられます。
便秘以外にも「ふんばる」格好をすることをわかっていただけましたか。
今回も癌の早期発見のヒントを書きましたが何かのお役に立てば幸いです。

今年も皆さん元気で、動物たちと楽しく過ごしましょう。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2006年2月号掲載

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