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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.23

クシャミ・鼻水が止まりません。

鼻に関する病気

3月に入り、少しずつ春めいてきました。雪がとけたら犬たちを連れてどこへ行こうかなと考えています。

さて、今年も人のほうではインフルエンザが流行り、学級閉鎖になったところもありましたね。みなさん元気になりましたか。
そのときクシャミ・鼻水がなかなか止まらなかったと思います。今回はこの症状が止まらないというペットたちの話をします。
鼻は顔の真ん中にありながら、中は複雑な構造をしており、鎮静や麻酔をしないと見せてくれないペットたちは病気の発見が遅れがちになります。
主な病気の種類は、アレルギー、細菌・真菌・ウィルスなどの感染症、外傷、異物、歯の炎症からくるもの、そして腫瘍です。アレルギー性のものはほぼ透明な鼻水になることが多く、全身の状態は良好でその他の症状がない場合が多いでしょう。
鼻水を顕微鏡でみると好酸球が多く出てくることが多くなります。感染生の場合は混濁し、いわゆる青っ鼻になることが多く一般的な抗生剤で効かない場合は少し奥から鼻水を取り培養をして原因を確定していきます。ウィルスの分離はむずかしいので、他の症状を考えて診断していきます。
以外と多いのは歯(根尖)からくる二次的感染が鼻腔に広がり、クシャミ・鼻水が出ます。もちろん鼻の治療ではなく歯科治療をしなければ治りません。
中高年になってから、しつこいクシャミ・鼻水、ときには血が混じり、中には鼻が変形してきたと来院する犬や猫たちがいます。前に書いたものが否定されるとやはり腫瘍を最優先に疑います。発生頻度は、犬の全腫瘍中約1〜2%で平均年齢は10歳と報告され、長頭種や都会で飼われている犬に多発する傾向があります。種類は腺癌、扁平上皮癌、軟骨肉腫などです。
猫は発生はまれですが悪性リンパ腫には注意が必要です。診断はレントゲン、CTなどの画像と鼻の中の腫瘤の細胞診・病理検査で行います。
治療は外科、抗癌剤、放射線療法が主体となりますが実施できる施設が限られているのが現状です。作用ははっきりしないですが民間療法でカバノアナタケやサルノコシカケ、サメ軟骨を与えたりします。

いずれにしても、しつこいクシャミ・鼻水は要注意です。鼻にも気をかけて下さい。

今年も皆さん元気で、動物たちと楽しく過ごしましょう。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2006年3月号掲載

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