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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.16

犬の妊娠と出産について

今回は赤ちゃん誕生の話をしてみましょう。
人間も勿論ですが、犬たちの出産シーンというのはとても感動的です。そして赤ちゃんは本当にかわいいものです。ひとは犬の出産に立ち会うことにより生きることや命の大切さ、慈しみを学ぶことができます。
無事に出産を迎えるにあたっての心構えを書いてみましょう。

まず最初の妊娠ですが、体ができあがる1歳過ぎてからの方がいいでしょう。つまり2回目の発情を迎えてからの方がいいと思います。犬の種類によって発情のくる時期が違います。
相手の雄ですが、体格、性格なども考えて選んでください。
いろんなショーで○○チャンピオンになった雄はしつけや立ち振るまいだけでなく、多くのことで優秀であることは間違いありません。飼主さん自身がよく考え、あまり無理をせず生活スタイルに合わせた選択をしてください。
交配は自然で行う方が受精率も高いのですが、相性、どうしても雌が受入れないなどの問題がある場合は人工受精も可能です。条件がそろえば何回か交配させた方がいいでしょう。
無事に妊娠できたでしょうか?妊娠3週間までは目にみえる徴候はありません。早く確認したければ3週間以降に超音波検査してください。小さな命を確認できると思います。
そして妊娠期間は58〜63日ですが最後の1週間で胎児は急速に大きくなります。赤ちゃんの頭数や大きさを確認するために予定日の2、3日前にレントゲン検査を奨めます。頭数によって心構えも変わるでしょうし、胎児が大き過ぎれば帝王切開の覚悟も必要となります。特に短頭種の場合は必ず検査しておいた方がいいと思います。
この頃から体温を測定しておいてください。できましたら直腸温を測るのがいいです。
平熱は38.5℃前後ですが、出産が近くなると体温が下がります。あくまでも目安ですが37.5℃以下になると出産が近いので、お産の準備をしてください。清潔なタオル、へその緒をしばる糸、ハサミなどです。
また、出産は夜から朝方が多いため、昼間のうちに行き付けの獣医師に連絡しておくことも大切です。約95%は正常な出産と言われていますが、異常分娩の対処のことも考えておきましょう。
主な異常サインは妊娠67日以上たっても陣痛がない、破水しても2時間以上陣痛がない、子犬が出る前に出血や緑色のオリものが出る、産道に子犬が詰まってしまう、次の子犬が2時間以上でてこないなどです。こうなったらすぐに病院に行った方がいいでしょう。
難産になりやすい犬種はボストンテリア、フレンチブルドッグ、チワワ、ペキニーズ、パグなどです。性格的に甘えっこは苦痛にたえられず、陣痛が止まることもあります。
母犬の快適な出産を飼主さんと協力して手助けできることは、私たち獣医師やスタッフにとってもたいへん喜ばしいことなのです。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2005年7月号掲載

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