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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.147

犬のスキンケアについて

〜おうちで出来るスキンケア〜

 新年明けましておめでとうございます。今年の干支は丁酉(ひのととり)。前年の申(さる)年は『果実が成熟していく状態』を示すということでしたが、酉年は『取組んできたことが実を結び、収穫できる状態』という意味だそうです。さてどんな年になるでしょうか。

スキンケアとは皮膚の状態を良好に保つためのケアを言います。おうちでも出来ますし、乾燥するこれからの季節は重要です。そんなに難しいことではなく、実際には@シャンプーによる皮膚にとっての有害物質の取り除き、A皮膚にとって有益な成分を含んだローションやスプレー、保湿をすることです。あくまでも治療ではありません。シャンプーだけで皮膚炎を治療しようとすると、多くの場合で殺菌性物質を含んだ製品を使用することになり、ときに刺激性接触性皮膚炎になることがありますので、まず皮膚病をきちんと診断して薬物療法によって一度皮膚炎を治さなければなりません。

@シャンプーによる有害物質の取り除き
「スキンケア」に必要なシャンプーとは、まず、目的としている汚れを除去できること。そして生体へのリスクが最小限であることです。犬の皮膚も毎日古くなった角質層の細胞が剥がれますが、落ちてしまうのではなく、体表や毛にくっついています。見た目が汚れていない犬も、皮膚表面や毛根付近には大量の汚れがあります。また、多くの毛で覆われているためにそれらがどんどんたまっていきます。これらは放っておくと強力な皮膚刺激性物質に変化します。そして環境中のダニやホコリも付着します。さらに脂漏証などの病気の皮膚では皮膚バリアに大切なセラミドが減り、コレステロールや遊離脂肪酸などといった成分が多くなり、皮膚コンディションをますます悪化させます。スキンケアを意識したシャンプーを行うことで、被毛と皮膚を丈夫で健康に保ち、トラブルを抱えた皮膚も徐々に状態を改善していくことができます。通常のペット用のシャンプー剤は、被毛の汚れを落として保護するヘアケアの成分が中心です。一方、スキンケアの目的は、被毛と皮膚の両方の状態を整えること。被毛の汚れはもちろん、皮膚表面の古い角質や余分な皮脂なども洗い流して皮膚を清潔にするだけでなく、角質成分や保湿に必要な成分を補給して、ローションのように皮膚に浸透させるのがスキンケア用シャンプーの特徴です。シャンプーの成分をしっかり確認し、皮膚の角質成分であるセラミドや尿素、アミノ酸、保湿効果に優れたグリセリンやリピジュアなどの成分が配合された、低刺激性のスキンケア用シャンプーを選択するとよいでしょう。

A皮膚にとって有益な成分を含んだローションやスプレー、保湿
シャンプーで汚れ、有害物質を落としたあとは、皮膚のバリアを正常に保つことが大切です。特に皮膚の角質層に有効な成分を塗っておくことです。多くの場合、バリアとして働く油脂と水分を含むNMF(天然保湿因子)やある程度の効果を有するものを使用します。最も有効な天然保湿成分はヒアルロン酸であり、バリアに最も有効な油脂はセラミドとスフィンゴシンと考えられます。これらの入ったローションやスプレーがありますので使ってみてください。スプレーを怖がる犬もいますので、コットンに湿らせてつけるのもいいでしょう。

高気密で風通しの悪い室内で飼われているなかで、皮膚病になる犬たちが増えています。なかなか改善がなかった皮膚トラブルの犬たちへ、スキンケアをお奨めして、とても良くなり喜ばれているケースが増えています。一度動物病院に相談するといいでしょう。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2017年1月号掲載

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