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ペット広場タイトル

グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.142

歳をとってからのイヌ・ネコの消化器病

〜おうちで出来るケア〜

8月になりますと、どうしても6日と9日は忘れられません。広島、長崎の原爆記念日。今年は伊勢志摩サミットの後、オバマ大統領が広島訪問しました。核の無い世界が訪れることを祈っています。お盆を迎え、亡くなられたご先祖様の思い出話をするのは心洗われますね。また、移動することが多いと思いますが、くれぐれもお気をつけてお出かけください。

ペットのイヌやネコを家族の一員として飼われることが多くなってきました。ふれあう時間が多くなり、動物たちの仕草や行動に癒されたり、笑ったりし、声をかけることも多くなってきているかと思います。動物病院に来られる飼主さんとペットを見ても、お互いの信頼関係が強くなっていることを日々感じます。ペットのイヌやネコたちは、食事の世話だけでなく、いわゆる下の始末もヒトに頼らざるを得ない動物たちです。若くて元気なころは外へ連れてったり、家の中でも清潔なトイレで用を足してくれます。そして飼主さんはその後始末をするだけで良かったのですが、歳をとってきたり、重度な消化器病になりますとお世話が増えてきます。少しでも飼い主様のご負担軽減になる記事を書きたいと思います。

食欲不振、嘔吐や下痢といった消化器症状で動物病院に来院される方はとても多いです。出来るだけ早く治療するために、原因と追求と下痢や嘔吐のパターンを把握したいと思っています。ペットたちの代わりにお話を聞かせてくれる飼い主さんの情報がとても大切です。いくつか覚えておいて欲しいことがあります。ひとつは「できるだけ数字で話して欲しい」ということです。食事をして◯時間後に吐くとか、一日◯回下痢をするとか、食欲はいつもの◯%などです。また、「具体な色」もかなり重要です。コーヒーかす色、赤い、白い、黄色、黒色のものを吐くことが多いです。下痢の色については、透明、赤色、黒色、黄土色、食べたものの色などです。これらのことを聞かせていただけるだけで、どこの部位にどのようなことが起こっているか獣医師は推察していきます。実際に吐物や下痢を持参していただけますとさらに情報が深まります。歳をとってからの消化器病は、食事性や誤食、寄生虫疾患は比較的少なく、炎症性腸疾患や腫瘍が原因となることが多くなります。早期の診断と治療が大切です。

少しだけですが、おうちで出来るケアについて書きます。吐気や下痢がある場合は、まずは絶食をし、胃腸を休ませるのがいいでしょう。無理に食事をあげるとさらに吐き、電解質や水分を喪失するだけでなく、誤讌性肺炎の危険性があります。下痢に対しては、汚物による汚れを最小限にするために、肛門やその周囲を毛刈りしたり、最近では品質の高いペット用の紙オムツがありますのでこちらを利用するのもいいでしょう。この紙面では書ききれませんでしたが、飼主さんそれぞれ困っていることがあると思いますので、よろしければ動物病院スタッフやペットシッターさんに相談してみてください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2016年8月号掲載

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