グラコムネット(北見市の無料宅配情報誌サイト)

ペット保険の一括資料請求【無料】

ペット広場タイトル

グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.140

夏場に気をつけておきたいこと

〜熱中症予防について〜

6月に入り、清々しい日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。北海道以外では梅雨の季節到来です。熊本・大分地方でも猛烈な熱さと大雨が心配です。今回被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の一日でも早い復旧をお祈りいたします。

先月は中盤に真夏日が続きましたね。まだ体が暑さに慣れていない時期だったので、皆さんの中に体調を崩された方もいるのではないでしょうか。今回は少し早いかもしれませんが、熱中症の予法について書きます。

熱中症とは、上昇した体温をうまく冷却できず、体のいたるところに不調をきたす病態です。最悪のケースでは死に至る可能性があります。犬の体温調整能力はヒトとかなり違います。ヒトは、体中にある汗腺から汗をかき、気化熱で体を冷やしますが、犬に汗腺はほとんどありません。犬は呼吸器表面の水分を蒸発させ気化熱を放散して熱を下げます。暑くなってくると「パンティング」と呼ばれる激しい呼吸をします。そして熱を下げようとするのです。また、ヒトと違い、犬は被毛に覆われています。体温を外界に逃がさないようにする作用があります。このような特徴により、犬は寒さに強いけれども、体温を下げることが苦手となるのです。そのため、ちょっとした不注意で熱中症に陥ってしまう犬たちが多いのです。

さて対策ですが、まずは、暑くて風通しが悪いところは絶対に避けたいです。締め切った部屋や車、直射日光があたる外などです。また、散歩される場合は日が照っている日中を避けて、朝方や夕方に行くようにし、早めに切り上げましょう。パンティングをすると水分がかなり蒸発しますので、脱水症状にならないように飲み水が途切れないようにしておくことも大切です。被毛は熱を逃がさないようにするためと言われていて、コートを一枚羽織っているようなものです。それを夏服、サマーカットにすることも温かい空気を外に逃がしやすくします。この時、地肌が見えるくらい短くしすぎると、外気温が直接体内にはいってきますので、逆効果です。室内で気温を下げることは熱射病対策ではもっとも確実な予防法です。しかしエアコンだけを使用すると電気代がびっくりするくらいになります。犬に霧吹きを軽くかけたり、タオルで湿らせたあと、扇風機を当てると、ヒトの汗のように大量の気化熱が放出され、犬は涼しさを感じます。このような自然現象を利用した暑さ対策はお財布にも優しいのです。

短い夏です。犬たちとお出かけして、大いに楽しんでください。その際には熱中症には十分気をつけて、折角のお出かけがだいなしにならないように気をつけてください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2016年6月号掲載

前へ   次へ