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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.14

ペットからうつる病気について(1)

ようやく長い冬が終わり春を感じるころとなりました。人間界も移動が多く、別れと出合いの季節です。
この時期にペットを飼いはじめる方も少なくありません。ペットはいろいろなことを私たちに与えてくれます。笑い、癒し、一緒にいるという安心感、運動不足のお相手などなど。しかし、あまり与えてほしくない病気をヒトにうつす場合があります。今回はその2つだけ紹介します。

まずエキノコックスです。昨年はムツゴロウ王国が東京に移転する際、この問題が大きく報道されました。管内でも室内犬からの感染がみつかっています。犬がエキノコックス症になるためには、エキノコックスの卵を食べたネズミを犬が食べることが必要となります。キツネから犬にうつることはありません。きつねと犬は同じイヌ科だからです。
そして感染した犬からは卵が糞便とともに排泄されます。この卵を何らかの形でヒトが口にすると感染します。潜伏期間5〜10年後に肝臓にのう包ができ、外科的手術が必要となります。放置すると90%以上が死亡します。犬の感染を防ぐにはネズミとの接触を防ぐことです。放し飼い自粛はもちろん、同居の猫が運んでくるかもしれませんので注意が必要です。また犬が感染しているかどうかは5g以上の糞便を動物病院に持参すれば検査機関に送ることができます。検査料等は自己負担です。

次に狂犬病です。ヒトが感染し発症すると、ほぼ100%死に至るという非常に恐ろしい感染症です。ヒトへの感染は狂犬病にかかった動物(約80%が犬、10%が猫、その他アライグマなどの野生動物)による咬み傷ですが、ヒトの傷口を舐めても感染します。
犬の症状は潜伏期間は10日から6ヶ月と長く、発症すると怒りっぽくなり、興奮し何でも咬むようになり、次第に全身の麻痺へと進み、死亡します。ヒトも犬も発症すると有効な治療法はありません。
幸い日本では昭和25年狂犬病予防法が制定され、徹底的な予防がされ、昭和32年以降は発生はありません。しかしペットブームといわれから、飼われている犬の頭数は約1,500万頭にもなっていますが、接種率が年々減っています。ついには50%を切ってしまいました。
また、近年の物流の国際化の中でいつ日本に入ってくるかわかりません。もちろん検疫などの強化は行われていますが、備えておくことは必要だと思います。春は狂犬病の予防注射の時期ですので、各市町村の広報を見て、打ってあげて下さい。また各動物病院でも同じようにできます。

少々恐ろしい話をしてしまいました。こんなことにならないように皆さん気をつけましょう。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2005年5月号掲載

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