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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.13

ペットの下痢

実は外来で一番多いのは「下痢が治らないんです」と来られるペットたちです。
動物に下痢を起こす原因としては食事の変化、寄生虫、感染症、肝臓疾患、中毒、心因性など、さまざまなものがあげられます。細菌やウィルス、寄生虫などが感染したり、毒物や薬剤を誤って口にしたりすると、腸粘膜に障害が起こります。その結果、消化吸収不良や炎症潰瘍などになり、分泌亢進や腸の運動異常がおこり、腸管内水分が上昇し、下痢になります。
また、食事性の下痢として、いわゆる「食べ過ぎ」で腸管内に水分が多量に移動し、腸管運動が活発になり発生するもの、食べ過ぎでなくても、高タンパク・高脂肪の食事(焼肉、ハム、ジャーキーなど)を食べ、膵臓に負担がかかり発生するもの、アレルギーの原因となるものを極少量食べても下痢となるペットもいます。
心臓の病気で高血圧になったり、肝臓の病気で門脈圧が上昇して腸管が浮腫になり下痢になる場合もあります。
下痢の原因を探っていくとき、その下痢がどの部位で起こっているのか、小腸なのか大腸なのか、次に急性なのか慢性なのかを鑑別していきます。

このとき飼い主さんのお話が重要になります。「いつからですか?一日何回しますか?便の色はどうですか?何か変わったものを食べましたか?環境の変化はありませんでしたか?ワクチンは打っていますか?」と獣医師はたずねると思いますが、正直に教えてください。それがペットたちの治療に役立つからです。
そして、少し臭いかもしれませんが、是非とも下痢を病院に持参してください。便があればその原因のおおよその見当がつきます。
さて、治療ですが、状態により下痢止めの簡単な注射や点滴をしたり、食事療法を行って経過をみます。よくみられるいわゆる「食べ過ぎ」の下痢の場合、食事療法としてまる一日絶食した後、消化の良いものを与えるといいでしょう。
この場合でも水の制限はしないでください。寄生虫がいれば虫下しをし、食物アレルギー性の下痢の場合、アレルギーの原因となるものが含まれていない食事を与えたりします。嘔吐を伴う血便をし、ワクチンを打っていなければ、伝染病のパルボウィルス感染症を一番に考え、集中的な治療と他のペットたちに感染しないよう、様々な手立てをうたなければなりません。未だにこの伝染病は発生しますし、何頭か亡くなります。
また、高齢のペットで慢性の下痢が続き、体重減少がありますと消化管の腫瘍も考えなければなりません。点滴による水分・栄養補給をしたあと、手術や抗癌剤治療も行うことがあります。

いずれにしても、飼い主さん・ペットたちの協力がなければ、治療は進みません。
観察メモとウンチはお土産として動物病院にご持参ください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2005年3月号掲載

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