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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.12

犬や猫にとって毒ですよ

チョコレート、イカ

「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出るよ」

皆さんがお子様のころ、お母さんに「チョコレートを食べ過ぎると鼻血がでるよ」と注意されたことはありませんか?これは本当でしょうか?実は医学的根拠はないと言われています。昔、チョコレートは大変高価で貴重品だったため、食べ過ぎを警戒しての言葉のようです。
では「犬や猫にチョコレートを食べさせちゃダメ」って聞いたことはありませんか?これは本当のことなのです。以前、このことを一行だけ書きましたが、質問を受けたので少し詳しく書きます。
チョコレートの主成分はカカオ豆から作るカカオマスですが、このカカオマスには、テオブロミンという成分が含まれています。テオブロミンは、心臓血管や中枢神経興奮に作用するものとして知られています。人間は大丈夫なのですが、犬や猫はその代謝ができないため、このテオブロミンによって中毒を起こしてしまうのです。
症状は嘔吐や下痢、神経過敏、興奮、ふるえ、昏睡、痙攣などがチョコレートを食べてから、数時間から半日後に見られます。時には突然死を起こしたり、腎臓障害を起こします。特にブラックチョコレートには多く含まれていますのでご注意!ココアパウダーもテオブロミンを含んでいますので同じ事が言えます。
さて、お刺身好きの猫さんがいますね。マグロなどを少しだけあげるなら問題はありませんが、イカやタコなどを与えてはいけません。
生のイカやタコ(特に内臓)に含まれているチアミナーゼという成分が体の中のビタミンB1を破壊する作用があり、それによって神経麻痺は下半身から始まり上半身、頭部へと進行します。足腰が多少フラフラするのは問題ないのですが、上半身まで麻痺が進むと起立できなくなり、やがて水や食事を飲み込めなくなり、呼吸神経の麻痺が起きると死に至ります。
珍味も要注意!実際にあった話ですが、外で飼っている犬の様子がおかしいと夜中に来院されました。その犬は体温が低下し横になって震え、意識ももうろうとなっていて、原因が分からないまま翌日死亡してしまいました。
ところが飼い主さんが翌朝、明るくなってから犬小屋の近くに食い散らかされて空になった珍味の大袋が落ちているのを見つけたのです。どなたか近所のおせっかいな人が、知らずに与えたものと思われました。
珍味は適当な塩分を含んでいるため、犬は喜んで一気に食べてしまいます。しかし、胃の中に入ると水分を吸って急速に膨張し、胃拡張状態になってしまうと言われています。
人間と一緒に暮らしている動物たちは、人の食べるものを何でも喜んで食べてしまうものですが、飼い主さんは動物たちが病気にならないように、食事の内容にも責任を持ってみてあげていただきたいです。たまに、「お前が欲しがるからダメじゃないの〜」などと動物に責任転化するような発言をされる方がいらっしゃいますが、とんでもありません。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2005年2月号掲載

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