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ペット広場タイトル

グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.135

申年を迎えて

 

新年明けましておめでとうございます。今年もペットに関わるお話を書かせていただきますので、よろしくお願いします。

2016年の干支(えと)は丙申(ひのえさる)の年になります。丙申の年は60年に1回。ものごとが進歩発展し、形がはっきりする、固まっていく成長段階を表すといわれています。良いことが発展していくのであればいいのですが、どんな年になるのでしょうか

申は動物でいうと猿になります。猿はヒトと同じ霊長類になります。霊長類は進化とともに大型化し、単独行動から群れでの生活へと進化してきました。最も原始的な原猿類は、約8,500万年前には現われたといわれており、地上にはまだ恐竜がいたため、樹上で生活をしていたようです。木の葉や昆虫などを食べて暮らす雑食性でした。木から木へと移動するための器用な手足、そして木をしっかりと握るための親指が横を向いた手の形ができ、さらに感覚を敏感にするために指紋が発達してきました。また、飛び移る際に正確な距離を知る必要があったため、霊長類の眼は次第に顔の側面から正面へと移動していき、視野を重ねることによって物を立体的に見ることができるようになってきました。カモフラージュした昆虫などを見分けるための色彩感覚も発達しました。これは他のほ乳類動物にはない特徴です。離れた樹上間でのコミュニケーションをとるために聴覚も発達し、後に言語の発生へとつながったと言われています。6,500万年前に恐竜が絶滅してしまうと、ほ乳類は一気に行動範囲を広げ、多様に進化しました。3,000万年前には真猿類がアフリカに初めて登場し、そして約300万年前に最初のヒト科の類人猿が登場したと言われています。ヒトと同じ霊長類として進化をして来た猿。とても私たち人間と似通ったところがたくさんあります。ヒトと共通する脳内回路があることから、ヒトの感情の動きや心理学の基礎的研究が行われたり、ヒトが社会生活を営む基盤となる脳機能の解明の研究も猿を使って行われています。身体の構造や生理機能も似ていることから、ヒトのワクチンや医薬品の開発にはとても大きな貢献をしてくれています。

皆さんご存知の通り、日本の昔話や民話の中にも猿が登場するものがたくさんあります。「猿の嫁」や「さるかに合戦」では悪知恵が働くイメージで描かれています。一方「桃太郎」「猿の恩返し」「孝行猿」では強くて優しく義理人(猿)情にあつい動物として登場しています。動物園や各地の猿山ぐらいでしか会うことはできませんが、私達にとって身近な存在と感じるのはその風貌、仕草が似ているためでしょう。私は温泉に入っている函館の日本猿の姿を見るとホッとします。

2015年末COP21パリ協定が成立しました。地球温暖化対策に向けた歴史的な合意です。人類のことだけでなく、動物たちや地球環境そのものを考えた合意が、丙申の今年、形になっていくことを期待したいです。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2016年1月号掲載

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