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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.132

見つめあって絆を強めよう

〜目の病気について〜

大雪山では初雪が降り、少しずつ冬が近づいていますね。季節の変わり目は体調を崩しやすいので、皆さん気をつけてお過ごしください。

4月17日付けの北海道新聞に「人と犬 見つめて安心」という記事が載っていました。

犬が飼主を見つめ、飼主が応じて身体をなでたりすると、お互いの体内に安心感を生むオキシトシンというホルモンが増加するというものでした。人間の母親と赤ちゃんが絆を強める仕組みと同じだとのことでした。見つめ合う時間が長いほどオキシトシンが多く分泌され、じゃれ合うだけで見つめ合わない場合はオキシトシンの濃度は変わらないようです。

見つめ合うためには、正常な眼であることが望ましいです。しかし、犬たちは結構眼の病気が多く、当院では外来の約1割が眼科疾患になります。その中で今回はドライアイについて書きます。涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって眼の表面を潤う力が低下した状態をドライアイと言います。人の方では年々増加し、日本では全人口の約1/6近くが罹患しているといわれています。まず涙の役割を伝えておきます。大きく分けて3つあります。角膜と結膜の表面に潤いを与えること、角膜に酸素や栄養素を供給すること、角膜・結膜への感染を防ぐことです。また涙は3つの層で構成され、内側から粘液層、涙液水層、油層です。その厚さは何と0.01mmです。この3つの層のいずれかに障害を起こす疾患や、眼の表面に起こる様々な疾患によって涙液が充分に維持できず乾燥しやすくなるのです。ドライアイには大きく分けて2つのタイプがあります。涙液の分泌機能が低下し、水層が減少するタイプを「乾性角結膜炎」。油層の異常でなるタイプを「マイボーム腺機能不全」と言います。マイボーム腺はマブタに分泌する穴があり、瞬きをして上下のマブタが接することにより油を分泌して油層を作り、水層の蒸発を防いでいるのです。ドライアイの原因は不明なことが多いですが、免疫異常も考えられています。

症状は、涙の量によって変わります。軽度な場合は白っぽい目ヤニ、重症になると感染も伴い黄色い目ヤニが出てきます。朝目ヤニがくっ付いて眼が開けられない状況になる場合もあります。慢性になると角膜に色素細胞が入ってきたり、血管が入り、透明性を失い、視覚障害になる場合もあります。

治療は、「乾性角結膜炎」では涙に似た成分の目薬や涙腺を刺激する薬を使います。「マイボーム腺機能不全」では抗生物質の点眼・内服、眼瞼のマッサージ・温罨法(おんあんぽう)などを行ないます。その他、血清を用いた点眼を行なう場合もあります。完治はなかなか難しいですが、早期発見してひどくならないように治療をするのが大切になります。

ということで、日頃から見つめ合う習慣をつけるといいですね。はじめはオヤツで釣りながらでも良いですから頑張ってください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2015年10月号掲載

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