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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.131

ネコについて No.2

〜ネコにとって優しい病院とは〜

今年の夏はとても暑つかったですね。9月に入り、朝晩涼しくなってホッとしています。私ごとで恐縮ですが、今年初めて作った家庭菜園は、どの作物も豊作でした。この地域の主要産業である農作物のできはいかがだったでしょうか。

先月に引き続きネコの話を書こうと思います。ネコも病気もしますし、大きなケガもします。ワクチンが必要な伝染病もあります。そんな時、動物病院に来ていただくわけですが、ストレスを感じやすいネコをいかに連れて来ていただくか、様々な取組みが行なわれています。そのひとつであるCFC(キャット・フレンドリー・クリニック)という世界的な取組みについて紹介しましょう。直訳すると「ネコにやさしい動物病院」です。国際猫医学会(ISFM)では、「ネコが幸せな一生を過ごせるように」という考えに基づき、ガイドラインを作成しています。昨年日本猫医学会が設立され、日本でも認定動物病院が増えつつあります。

「ネコにやさしい獣医療とは、ネコの心理・行動・生理学を正しく理解して配慮し、ネコはもちろん飼い主さんの来院によるストレスが最小限になることを目指すということ」。そのためには飼主さん、動物病院それぞれが準備をすることがいくつかあります。

まず、飼主さん側は大きく2つ。まずは移動の時に使用するキャリーケースがネコにとって怖い存在ではなく、ここちのよい場所にしてあげることです。このキャリーケースは丈夫で組み立て時に大きな音がしないもので、上部が取り外せてそのまま診察できるものがいいと言われています。すでに今お持ちのケースがトラウマになっている場合は、新しいものを準備してした方がいいかもしれません。もう一つは、移動中の配慮です。布などでおおって景色が変わるのを避け、普段から移動時間を少しずつ延ばして、においや音にも慣れさせておくことも重要です。キャリーケースが日常の寝床になってくれると一番良いですね。

一方、動物病院の環境と診療によるネコへのストレスを最低限にする、次のようなガイドラインが提言されています。●待合室ではイヌなど他の動物と一緒にならないようにスペースを分ける。あるいは、ネコ専門の外来時間を設ける。●診察室でのネコの不安を軽減させるために、フェロモン製剤を利用するなどして安心できる雰囲気をつくる。●診察中はネコと目を合わせない(直視しない)。ネコを不安にさせる人や物が視界に入らないようにする。●布で覆ったキャリーケースの中、飼い主のひざの上など、ネコが安心できる場所で診察を行う。●ネコの習性に合わせて入院室(ロフト付きなど)の環境を整える。などです。慢性腎臓病などネコに多い病気もあり、早期発見することで寿命が伸びることが分かっています。そのためにもストレスが少ない環境を作っていきたいものです。(参考:東京猫医療センターHP等)

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2015年9月号掲載

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