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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.127

動物たちの痛み

〜早く気づいてあげたい〜

5月になり、春らしい日々が続いています。出かけることも多くなるでしょう。ペットたちも休憩が必要です。移動には余裕をもってお出かけください。また、車の中にペットをおきっぱなしにしたりしないようにお願いします。

今回は動物たちの痛みについて書きます。イヌやネコは、痛みをうまく飼主さんへ伝えることができません。もちろんそれは言葉で伝えられないということもありますが、本能的に外敵に襲われないように、痛みを我慢したり隠したりする習性があるためとも言われています。そのため、飼主さんも私たちも気づきにくいのです。しかし、動物たちもヒトと同じように痛みの感覚はあることが科学的にも証明されており、痛みの原因や痛みそのものを放っておくと、もっと深刻な問題を引き起すこととなります。気力の低下、食欲低下による栄養不良から傷の治癒遅延、運動量の低下から筋力低下・萎縮、ストレス過敏、血圧上昇、肺活量の低下などを招きます。

ではイヌやネコのどのような仕草・症状から私たちは「痛み」を見つけてあげることができるでしょうか。いくつかリストを挙げてみますが、該当する項目があれば、何らかの病気やケガで痛みを感じているかもしれません。 イヌの場合は、・散歩を億劫がる・段差の上り下りを嫌がる・家の中であまり動かなくなった・立ち上がるのがつらそう・遊ばなくなった・足を引きずったり、挙げたりしている・寝ている時間がながくなったり、眠れないなど。

ネコの場合は、・爪研ぎをしなくなった・気性が荒くなった・じゃれなくなった・警戒するようになった・グルーミングしなくなった・身体を触るのを嫌がる・そそうをするようになったなどです。いかがですか?大丈夫でしたか。

痛みの種類ですが、大きく3つに分類されます。

@急性痛:ケガや手術になどにより生じる痛みです。痛みの程度は激しいですが、多くは短時間で引いていきます。原因がわかれば十分な管理が可能です。

A慢性痛:急性痛をしっかり管理できず長患いした場合や関節炎などによって生じる痛みです。痛みの原因自体が完治が難しい場合が多いため、痛みを完全に取り除くことは難しいことが多いです。

Bがん性痛:がん及びその治療に伴って生じる痛みです。激しい痛みが長時間続き、突発的にさらに激しい痛みが発生する場合もあります。原因ががんに由来するため、完全な管理は難しく、より積極的な疼痛管理が生活の質を維持するためには必要になります。

痛みを取り除くためには、痛みの種類と程度を考えて、非ステロイド系消炎鎮痛剤、麻薬などを処方します。また、その子の性格や生活スタイルを考え、注射、内服、座薬、皮膚に貼るパッチなど剤型を決定します。該当するペットがいる場合は、お近くの動物病院で診察していただき、できるだけ早く痛みを取り除いてあげると良いでしょう。(動物のいたみ研究会資料参考)

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2015年5月号掲載

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