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ペット広場タイトル

グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.126

高齢動物の介護

〜動物たちも高齢化〜

4月新年度を迎え、新しい仲間を迎えた職場も多いかと思います。  できるだけ早く職場や学校にとけ込み、仲間をつくり、自分たちの力を発揮してほしいものです。先月もペットの高齢化に関連してデンタルケアのお話をしましたが、ペットの高齢化について、もう少し書きます。

動物医療の発達、予防意識の向上、そして飼育環境の改善や年齢にあわせたペットフードの普及などにより、ヒトでいえば60歳以上の犬や猫が急増しています。そのためペットの高齢化問題は人間同様深刻化しています。日本ペットフード協会によりますと、一般にシニアと言われている7歳以上の犬が全体の約55%、猫が約47%を占め、更に、老齢と言われる10歳以上の犬猫とも約30%を占めることが分かり、年々高齢化が進んでいます。

年老いたペットも人間と同じく介護が必要となってきています。足腰が弱くなって立てなくなったり、下の始末ができなくなったり、心臓病、腎臓病、腫瘍、内分泌疾患、白内障などを患ったりして、何かと人間の手助けが必要となっています。手がかかるようになっても、今まで寄り添ってくれてきた大切な家族なのですから、最後まで一緒に幸せに暮らしたいと思う方が大半だと思います。歳をとって来ると赤ちゃんのように飼主さんを頼って甘えてくるようにもなってきます。長年一緒に暮らしてきたパートナーだから、いくら手がかかろうとも愛おしさを感じるかと思います。

高齢動物特有の病気であるガン、心臓病、糖尿病などの病気、足腰や関節、筋肉などの衰えによる身体的不自由はもとより、認知症を発症してしまうこともあります。認知症かどうかの判断材料として、
(1)いつものトイレの場所がわからない
(2)飼い主の制止が効かない
(3)排泄で身体が汚れていると飼い主に気が付いてもらえるまで鳴く
(4)狭いところに入り込んで後退できない(前進だけ)
などがあります。
高齢化に伴って、今まで以上に介護の必要なペットが増えることが予想されます。ヒトの介護がサービスとして事業所も増え定着してきましたが、今後はペットの介護サービスも必要になるかもしれません。

ペットの介護をする専門知識を持った人材を育成するための講座がいくつかできています。個別の団体の認定資格ですが、動物の介護士という職業も認知されつつあります。高齢になったペットの介護をする老人ホームならぬ老犬ホームもできているようです。また、新潟では動物の終身介護を始めた施設もできました。ヒトもペットも高齢化して、老老介護の家庭も増えててきています。私たち動物病院も「どう寄添っていくか」が問われる時代になりました。飼主とペットとができるだけ永く、良い関係でいられるよう、そしてペットを介して家族が幸せに暮らせるように願うばかりです。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2015年4月号掲載

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