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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.113

尿の色を気をつけて見てください

〜血尿になっていませんか?〜

3月の声を聞くと、春がそこまで来ている気がしてきますね。先月、本州では南岸低気圧が大暴れして、2週連続大雪と強風で多くの方が被害に会いましたし、長期間交通障害が続きました。今年の冬も自然の脅威を感じましたが、春は穏やかであってほしいです。

今回は血尿について書きます。まだ雪が残っていますので、散歩に出かける犬であれば「赤い尿」が出ればすぐに気づかれることでしょう。しかし、ごく少量しか血液が混じっていない場合は気づかないものです。尿を検査して、試験紙や顕微鏡で調べて初めて「血尿」とわかるケースは少なくありません。血尿の一般的な原因は、腎臓から膀胱・尿道における感染や尿結石が多いですが、中には腫瘍や泌尿器系以外の病気から起こる場合がありますので注意が必要です。また、全身的に出血が止まりづらかったり、ある種の抗がん剤を服用していても血尿になる場合があります。

症状はどこに原因があるかによって違います。下部尿路(膀胱から尿道)に問題がある場合は、排尿時に渋ったり痛みを伴ったりします。上部尿路(腎臓から尿管)の場合は、あまり症状を出さないことが多いです。また、正式には血尿ではありませんが、前立腺や子宮などの生殖器からの出血の場合は、排尿とは関係なしに血液が出る場合があります。症状が急性であったり重度の炎症を伴っている場合は、発熱や元気消失、食欲低下など全身的な症状を出す場合もあります。血尿で来院される動物たちは多いですが、飼主さんに伺うことは、血尿が見られた時期、尿の出方、しぶりがあるかどうか、痛みを伴っているか、トイレ以外で排尿をしてしまうか、尿に悪臭があるかどうか、出血は尿と同時に出るのかなどです。病院に来られる場合は、この当たりをメモしてきていただけますと大変助かります。また、尿検査は診断を進める上で最も重要です。出来るだけ新鮮な尿を持参していただくか、病院に来てから採尿した尿で調べます。場合によっては、膀胱に直接針を刺して採尿する場合もあります。尿検査はpH、鮮血反応、タンパク質反応などを確認し、尿比重や尿を遠心して沈渣も調べます。血尿であれば赤血球が確認されます。尿が赤いにもかかわらず赤血球が見つからない場合は、溶血性貧血などの重要な全身疾患を疑います。

血尿の原因の一つに「尿結石」があります。腎臓や膀胱で出来ますが、それが栓になると尿が出ませんので重篤な状態になってしまいます。可能であれば外科的に栓を解除します。多くの場合、結石が出来てしまうペットたちは食事管理が必要となります。猫用で市販されているものに「尿路疾患に配慮」とかいてある製品がありますが、あくまでも健康な猫用であり、療法食ではありませんので、獣医師か動物看護師に相談されると良いでしょう。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2014年3月号掲載

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