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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.111

午(うま年)を迎えて

 

新年あけましておめでとうございます。犬や猫の1年間はヒトの約4年に相当すると言われています。新しい年を迎え、一つ歳を重ねられる喜びを、犬や猫と共に感じられたらなあと思います。

今年は午年です。午とは十二支の7番目で、年・日・時刻などにあてる方角の名前で「南」にあたります。十二支の中間に位置し、成長のピークを過ぎることも意味するそうです。「午」をなぜ「馬」にあてたかというと、昔庶民に十二支を浸透させるために、動物の名前をあてたそうです。詳しいことはわかりませんので「馬」について書きましょう

日本国内で馬は約97,000頭飼われています。競走馬が約55%、農用馬(輓えい、肉用含む)が約27%、乗用馬が16%、在来馬が約2%です。もちろん北海道は馬産地です。約9割が北海道で生まれ飼養されています。その中には道産子(北海道和種馬)約1,600頭もしっかり入っていますよ。馬の知能は家畜の中ではかなり高いと言われています。脳の発達度を示す指標の一つである「脳化指数EQ」は犬猫に次ぎ、少なくとも長期記憶は非常に高いことが知られています。乗り手が初心者だったり下手な者であれば、乗り手を馬鹿にした様にからかったり、わざと落馬させようとしたりする行動をとる事もあります。私が獣医科の学生のとき乗馬実習があったのですが、馬に嫌われないよう、馬鹿にされないよう声をかけ、毅然とし、しっかり手綱から指示を出すことを教わりました。それでも動かないことや、逆に進んでしまうことがよくありましたが…。逆に、常日頃から愛情を込めて身の回りの世話をしてくれる人物に対しては、絶大の信頼をよせ従順な態度をとります。大切にしてくれたり、いつも可愛がってくれる人間の顔を生涯忘れないといわれています。そのため、欧米ではペット(伴侶動物)として飼われている場合も多いです。ヒトの良き仲間であり、家族、伴侶として扱われて、乗馬を通してヒトの心を癒すホースセラピーも盛んに行われ、世界最小の馬であるアメリカンホースを盲導犬の馬版(盲導馬)として使用する試みも始まっているそうです。以前に行ったアメリカの大学では、ペットとしての馬専用の病棟があり、とても感銘を受けたのを覚えています。一方、日本では戦や戦争で使われた軍用馬としての歴史から始まりました。実は日本の獣医療も軍用馬育成から始まっています。現在は競走馬、農用馬、乗用馬など、産業とかかわる馬がほとんです。伴侶動物として扱われるのはまだまだかも知れません。

冒頭で午年はピークを過ぎることを意味すると書きましたが、大震災を経験した日本が、ヒトや動物、自然にやさしい成熟社会へとすすむ年になるように祈念します。今年もよろしくお願いします。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2014年1月号掲載

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