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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.82

関節の病気

足を挙げてませんか?

8月。お盆を迎えます。先祖を供養し、今生かさせていただいている自分を見つめ直す大切な月です。
今年は東日本大震災で未だ行方不明の約5千人の方々のこと、残された家族のことを思うと手をあわせることに意味が加味される思いです。
今回は関節の病気についてお話します。
関節とは、骨と骨が連結する部分を表す言葉であり、頭から指の先まで様々な場所にあり、その構成部品は骨、軟骨、関節包(滑膜、線維膜)、関節液、靭帯で構成され、脳の命令によって筋肉が伸屈することにより、靭帯が動き関節が動きます。
関節の病気には骨折、脱臼、靭帯損傷、炎症(感染性、非感染性)、腫瘍などがあります。今回は股関節で多い病気の話を2つ。

まずは犬の大腿骨骨頭壊死症(レッグペルテス病)。
成長期の後半(生後6ケ月~1歳)に発症することが多く、大腿骨のうち股関節を形成する大腿骨頭にいく血液の流れに異常が起こり、十分な血液が行かなくなり、骨頭が崩れてくる病気です。
とても痛がり、いつも足をかばっている状態で十分に地に足がつけません。
そのため後ろ足全体の筋肉が萎縮した状態になり、触ると細くなっているのがわかります。
幸いにもほとんどの場合、片足だけに起こります。
血流障害の原因ついては、大量の性ホルモン投与、栄養障害、遺伝などの影響があると言われていますが、まだよく解っていません。

治療は一般的には壊死した大腿骨頭を切除する外科手術を行います。
手術後には長期のリハビリを必要とします。
症状が軽い場合、運動を控えて安静にさせる保存療法を行ったり、鎮痛剤を投与したりしますが、一時的に症状を抑えても病気の進行は止まらないため、最終的には外科手術が必要になります。
取ってしまった大腿骨頭は再生されませんが、仮の関節ができ、歩き方はほぼ正常に戻ります。
かかりやすい犬種はトイ・プードル、パグ、ミニチュア・シュナイザー、ヨークシャー・テリアなどの小型犬です。

つぎに股関節形成不全。
股関節が正常に形成されていなかったり変形することにより、歩き方などに異変を起こす病気です。
遺伝や環境的な要因が考えられ、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーなどの大型犬で見られます。
股関節形成不全になると、腰を振るように歩く(いわゆるモンローウォーク)、足を痛がる、元気がなく運動を嫌う(運動不耐性)などの症状が現れます。
このような症状は、早ければ生後4カ月頃から現れます。
治療は内科的治療と外科的治療があり、犬の年齢や体重、症状などよって治療方法を選択します。

若齢で症状が軽い場合では、運動や食事の管理を行い、鎮痛剤や抗炎症剤などを長期に渡って投与することで、痛みを緩和し、関節炎の進行を抑えます。
症状が重く、内科的治療による効果が期待できない場合では、外科手術を行います。
手術は犬の年齢、体の大きさ、症状などに合わせて、いくつかの手術方法があります。
重症な場合は大学で人工股関節の手術をお願いする場合もあります。
P.S. 第3回北見マラソンのエントリーが始まっています。多くの方々にお会いできるのを楽しみにしてます。そして今度こそ晴天を願っています。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2011年8月号掲載

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