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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.77

ウサギ年を迎えて

〜とってもデリケートな動物〜

新年あけましておめでとうございます。今年もペットのお話をお届けし、少しでもお役に立てればと思います。よろしくお願いします。
ウサギを飼っている方が増えてきています。
可愛くて、飼うスペースが少なくて済み、キレイ好きで、吠えないからでしょうか?
今年はウサギ年ですが、もっと飼われる方が増えるかもしれませんね。

私は学生時代と薬品会社時代に多くのウサギの世話をほぼ毎日して来ました。
SPF(特定の病原菌を持っていないと保証された)うさぎの帝王切開なども行って来ました。
そんな中、ウサギというのは意外に感情表現が豊かなのがわかりました。
喜んだ表情、甘えん坊、そして時には怒ったりと…スタッフにもウサギを飼っている方がいましたが、何と言ってもその表情が愛くるしいと言っていましたね。

ペットとして根強い人気があるウサギですが、非常にデリケートな動物でもあります。
飼主さんが留守をしたり、ゲージの位置が変わったり、ちょっとした環境の変化に敏感で、ご飯を食べなくなったり、ストレスからお腹を壊したりします。
それが長く続くと肝臓への負担がきたりします。
体調の変化に敏感になり、少しでも変化があれば早めに対応してください。

ウサギは精神的なナイーブさだけでなく、皮膚もとってもデリケートにできてます。
犬や猫にくらべ皮膚の厚さが違います。とても薄く、そして伸びます。
ケガの処置とかにバリカンをかけるときがありますが、バリカンの歯が入らないように毛を切るのはとても気をつかいます。
ひどい炎症がありますと皮膚がよく動きますので、治りづらいですし、自分で齧ってしまう場合もあります。
骨もデリケートにできてます。骨も厚さが薄いのです。
特に後足が骨折してしまうと力強い蹴りもあり、プレートやピンを入れてもその隣で折れたりします。
また、手術した皮膚を自分で齧ってしまうこともしばしばです。
消化管もとっても薄くできてます。毛球症で胃や盲腸を切ったり、異物や腫瘍で小腸を切ったりしますが、縫うのが大変です。

このようにウサギはデリケートな動物です。
環境の変化に気をつけたり、事故が起こらないようにしてください。
表情は意外と豊かと書きましたが、その変化がわかるのはちょっと難しいかもしれません。
日頃の観察が大切です。ウサギ特有の仕草もありますので、本やネットで調べておくことをお勧めします。
今度はウサギに多い病気の話を書いてみますか。
ウサギは多産や豊穣のシンボルとされていますが、今年はどんな年になるのでしょうか?

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2010年12月号掲載

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