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ペット広場タイトル

グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.72

動物たちの体温

〜熱射病に気をつけて〜

今年の夏は、久しぶりに夏らしい夏になりました。昨年のような日照不足にはならないで欲しいですね。 夏休みでペットたちと遠出することもあると思いますが、こまめな休憩をとり、水分は十分摂って下さい。 事故にならないよう、短い夏を大いに楽しんで下さい。

今回は体温についてお話します。 子供の頃、ちょっと具合が悪くなると母親におでこに手をあててもらったり、おでこ同士をあてたりしてもらいませんでしたか? これは体温を測るのに簡単で、いつもとは違う「熱い」ということを早く見つけるのに役に立ちます。 ペットの飼主さんも耳やお腹を触って「熱っぽい」と訴えて来られます。 いつも触る場所を決めておいて「熱の変化」を知ることは良い事です。是非とも皆さんにやってほしいことです。 しかし、決しておでこ同士をあてないで下さいよ。咬まれる場合がありますから。

病院では、ペットたちの体温は体温計を少し深く肛門に入れて測ります(直腸温/深部体温)。それをカルテに書きます。 直腸温はお腹の中の温度をある程度反映しており、まわりの温度にあまり影響を受けません。 一方、ヒトで行われる脇に挟んで測る方法は外殻温と言って、環境の温度変化に多少なりとも影響を受けます。ヒトは深部体温はなかなか測れませんので、外殻温を目安としてます。 飼主さんの中にはペットたちの脇の下の温度を家で測って来られる方がいらっしゃいます。その場合直腸温より0.2~0.5℃低く出ると言われていますので、ご注意を!

本州は連日猛暑日・真夏日で、各地から熱中症のニュースが入って来ますね。 中には車の中に置き去りにされた子供たちが不幸なことに陥るケースもあります。気をつけたいものです。 ペットたちにも熱中症はありますが、ヒトと大きく違うのは体温を下げようとする手段です。 汗をかいて体温調整をするヒトに対して、犬・猫は発汗という熱放散の体温調節手段がありません。 発汗に代わる熱放散手段は、パンティングとか冷たい場所に体を寄せるなどになります。一旦熱中症になりますと、その病態はヒトとほぼ同じです。

原産国が寒い地方の犬種(ハスキー、アラスカン・マラニュート、サモエドなど)や長毛種などは一般的に熱さに弱いとされています。 また、鼻の短い種類(パグ、シー・ズー、ブルドッグなど)は、熱い空気を吸い込んだときに鼻で十分に冷却されないまま気道に取り込まれるため、熱中症にかかりやすいと言われています。 老齢犬や幼弱犬も気温の変化に弱いので注意が必要です。 さて、ちょっと早いのですが、10/10北見マラソンです。私も初めて走ろうと思います。 まだまだ申込できますので、皆さんも走りませんか!

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2010年8月号掲載

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