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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.66

出るものはスムースに出て欲しい

〜ウンチの話〜

新年あけましておめでとうございます。今年もペットに関するお話をして行きたいと思いますのでよろしくお願いします。
前回オシッコの話をしましたので、今回はウンチの話をしましょう。お正月気分の時期に申し訳ありませんが、ちょっと読んでみて下さい。
そういえば私の子供たちが小さい頃、食事の時にウンチの話を平気でしていたら、学校の先生に「変態家族だね」と言われたのを思い出しました。

もう一つウンチで思い出すことは、五味太郎さんの「みんなうんち」という絵本です。子供たちに本が壊れるくらいになるまで読み、そしてみんなで大笑いした思い出があります。
毎日出るものはスムースに出て欲しいものです。ウンチが出づらいということで定期的に病院に来られる方がいらっしゃいます。北見はもちろんですが、網走や遠軽からワンちゃんや猫ちゃんを連れて来られます。

ウンチが上手く出ないと食欲がなくなり、嘔吐する場合もあります。
原因は様々ですが、骨盤が狭かったり(先天性、栄養性、骨折など)、お腹にできもの・前立腺や腰下リンパ節が腫大していたりして便の通過障害があったり、直腸が弛緩して宿便が大きくなり過ぎたり、会陰ヘルニアがあって便がまっすぐ出なかったりします。
薬や処方食で便通をスムースにしようとするのですが、なかなか上手くいかないことが多いです。  手でお腹をマッサージしながら、宿便を細かくして、押し出すか指で掻き出してあげます。
太っている子が多いのでなかなか大変です。でも処置が終わったあとのすっきりした顔を見ると苦労が報われます。

ほぼ毎回の診察で体温を測りますが、体温計についてきたウンチの色と臭いを嗅ぐことが習慣になっています。いろいろな情報があります。できたら病院に来られる際はウンチを持参していただけると大変助かります。
色は食事の種類にも影響されますが、普通は少し黒みがかった焦げ茶色だと思います。血便はもとより、黄土色、灰色、緑色がかったものは異常だと思われます。
匂いはやはり臭いながらも香ばしいものが正常でしょう。発酵臭、生くさい、土くさいかったら寄生虫が悪さしていたり、腸内細菌の数とバランスが悪くなっている場合があります。逆に臭くないのも異常です。

寄生虫といえば北海道特有(?)のエキノコックスには気をつけた方がいいです。犬や猫はあまり症状を出しませんので、見過ごすことが多いのですが、ヒトにも移る可能性がある感染症です。
2009年は帯広の犬1頭と札幌の犬1頭が感染していることが分かりました。
まずはネズミを捕食することで犬や猫は感染します。その犬や猫が排泄した便をさわり誤って口にいれたり、山菜を良く洗わなかったり加熱しないで食べることでヒトには移ります。
ご存知のように感染したヒトが発症するのは10~20年後です。動物病院に便を持参すれば簡便な検査をしてくれますので、ご心配な方は事前に連絡の上、相談してみてください。
今年もペットと飼主様が健康でありますことをお祈り致します。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2010年1月号掲載

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