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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.54

最近咳をしていませんか?

〜肺炎、肺腫瘍について〜

いよいよ年末が押し迫ってきました。今年はどんな年だったでしょうか?  寒くなってきますと、動物たちも咳をすることが多くなってきます。咳と言っても原因はさまざまで、肺の病気、気管の病気、心臓の病気、冷気などの刺激などがあります。

今回は肺の病気について書きたいと思います。肺はのどや気管・気管支を介して外気と接触しています。このため、さまざまな病原体、ほこり、刺激物の吸引などにより肺に炎症をおこし肺炎になります。  さらに、動物は吐くことが多いので、吐物が肺に入って誤嚥性の肺炎になることが比較的多いです。症状は咳、呼吸が速くなる、口を開けて呼吸するようになる(特に猫は注意)、運動を嫌うようになる(運動不耐性)などの症状を呈し、重くなると呼吸困難やチアノーゼ(粘膜や結膜が青みを帯びる)を起こすようになります。  咳が続きますと動物たち自身はもとより、飼い主さんも気になり眠れなくなります。

呼吸は片時も休めません。何とかして早く少しでも楽にしてあげたいものです。病院では酸素の部屋に入れたり、吸入をし、抗生剤や気管支拡張剤などを投与します。  また、本来は炎症を直すために肺にあつまった好中球という白血球の一種がありますが、繰り返し刺激を受けると肺そのものに障害をあたえることがわかってきました。この暴走した好中球の働きを押さえ込む薬を最近使ったりします。いい結果が出る場合があります。  肺炎の動物がいる家庭では、家の中を乾燥させないようにすることは大切でしょう。

次に肺腫瘍についてです。多くは転移性腫瘍であり、原発性腫瘍の発生は比較的まれとされています。無症状のものが約25%と言われており、肺腫瘍だけで症状が出てくるものは病気が進行した例が多いです。そのため7歳以上で健康診断を行うのであれば胸のレントゲンを撮ってもらうことをおすすめします。  原因としては不明なことが多いのですが、発生因子として都会暮らし、受動喫煙、アスベストなどがあげられています。歳を取った動物を室内で飼っているご家庭ではどうか家の中でのタバコをご遠慮ください。ますます喫煙者は形見が狭くなってしまいますね。こんなこと書いてすいません。

また、室内は乾燥させないように気をつけて下さい。加湿器やストーブの上にやかんを載せておくのもいいでしょう。  あと可能ならば吸入器や酸素発生装置なども用意しておくといざという時、早く楽にしてあげることができるでしょう。肺腫瘍は単発でしたら手術をお勧めします。  しかし多発性だったり、癌性胸膜炎などになっている場合は、できるだけ苦しまないように、痛くないように対症療法をやって、家族とできるだけ長く過ごせる生活を選ぶのが良いと思います。動物は家族が大好きですから。  寒い冬、皆様も健康には気をつけてお過ごしください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2008年12月号掲載

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