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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.46

子宮のトラブルに注意

〜今年は時期がずれている?〜

4月に入り、新しい出会い、スタートを迎えた方も多いと思います。皆様がいいスタートが切れるようお祈り致します。  今回は子宮のトラブルについて書きます。その代表的なものは子宮蓄膿症です。これは、大腸菌などの細菌がメス犬の膣から子宮内に侵入して異常繁殖、炎症がひどくなって化膿し、子宮内に膿がたまるほど悪化する細菌感染症のことです。この病気になりやすいのは、避妊手術を受けていない中高年齢期のメス犬ですが、まれに最初の生理のあとでもに発症する場合もあります。例年ですと6月と12月を中心に来院されることが多いのですが、今年は3月に多く来られました。4月もつづくのか心配です。

犬の発情は通常6?7ヶ月周期です。発情が終わる頃から、メス犬の体は、♂犬の精子を受け入れやすくするために、免疫機能が低下し、子宮でも受精卵が着床・発育しやすいように、動きが静かになり、受精卵を守るために、子宮の入口が閉じられます。  もし、この時期、大腸菌などの細菌が膣から子宮に侵入すれば、退治されずに内部で細菌が増殖する可能性が高くなります。膿がオリモノとして外部に出る開放型と膿が外には出ず子宮に溜まってしまう閉鎖型があります。このタイプだと飼主さんはなかなか気づきません。  症状は陰部をよく舐める、発熱、元気食欲の低下などがありますが、もう一つ特徴的な症状に「多飲多尿」があります。細菌の毒素による腎臓の二次的な障害によって、犬はたくさんのオシッコをし、水をがぶ飲みし始めます。生理が終わって約1ヶ月後にこのような症状があれば、受診されることをお勧めします。

放っておくと閉鎖型の場合、子宮が破裂して膿が腹腔内に飛び散って腹膜炎を起こしたり、病原菌の毒素が体中に回ってひどい腎臓障害や多臓器不全、敗血症を引き起こして死に至ります。

治療法としては、外科手術によって子宮と卵巣を切除するのが最も確実な方法です。手遅れ状態になり、手術前に亡くなったり、開腹すると、すでに子宮破裂を起こしていたり、大量の毒素が体に回って、治療のかいなく死亡するケースが、症例全体の5%から10%あるという調査報告もあります。

4月から6月は犬の狂犬病予防注射の対策時期です。各地区で行われる集合注射会場か、動物病院で注射をうけてください。北見市内の方は北見の動物病院でも犬の戸籍(登録、生涯に1回)が作れます。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2008年4月号掲載

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