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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.45

鼻はとっても大切

〜いろいろな役割と病気について〜

3月の声を聞き、もうすぐ春と感じます。北海道は雪が溶けると、花香る季節になりますね。  今回は、ペットたちの鼻の病気を書いてみましょう。鼻は顔の中心にあり、美貌においても大きなポイントを占めるものです。犬も猫もそうですが、鼻にもさまざまな形があります。長かったり(人では鼻が高いといいます)、短かったり、幅が広かったりします。  その役割は、まず臭いを嗅ぐことでしょう。この嗅覚は人の2万倍とも言われています。警察犬はこの能力を利用してますね。そして出されたフードが好みなものか、嫌いなものか素早く判断します。好きなものでない場合は、鼻で皿を追いやり、ヒックリ返します。このときは鼻は手の代わりという役割をしています(?)。

もう一つ重要な役割は、外気を体の中に取り込む際のフィルターになっています。様々な異物粒子、感染性の微生物の肺への侵入を阻止する防衛ラインです。またフィルターがあることにより、肺にはいる空気が加湿されたり、加温されたりして直接刺激が行かないようにしてくれます。

私たちが一般的にみる鼻の病気は、微生物(ウイルス、細菌、真菌など)による感染症、アレルギー性鼻炎など内科性の病気が多く占めます。発生の頻度は低いですが、腫瘍もあります。犬猫の鼻腔内腫瘍は、臨床的には進行性、難治性の経過をとり、その予後はかならずしも良いものではありません。また症状に特徴的なものはありません。くしゃみ、鼻づまり、鼻出血が内科療法では改善なく、長引いている場合は、腫瘍を疑っておくべきでしょう。

鼻腔腫瘍の診断は、まず腫瘍の種類特定から始まります。動物たちは動きますので、全身麻酔をしていろいろな角度でレントゲンをとります。腫瘍の位置が決まりましたら、病理検査用の材料を取り、腫瘍の種類を確定します。種類によっては抗癌剤が効くものもありますが、多くは抗癌剤が効きません。現在もっとも効果があるものは放射線療法でしょう。少ない回数で良い効果がある治療器は、あいにく北海道にはありません。東京近郊の大学では週1回の治療でいい成績を上げているようです。

外科手術も適用となりますが、脳も近いので非常に難しいものとなります。放っておくとまず顔の変形がきますし、激しい痛み、食欲低下になります。いろいろな条件が許されるのなら、放射線療法をおすすめします。しかし、本州まで行ける方は滅多にいません。毎日の動物たちの顔をみながら、できるだけの事をやってあげるのがいいのかもしれませんね。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2008年3月号掲載

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