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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.35

狂犬病

〜輸入感染症例発生を踏まえて〜

4月を迎え春めいてきました。屋外で体を動かしたくなってきますね。皆さんはどんなスポーツを行なっていきますか。犬たちも雪がなくなり散歩もしやすくなります。冬の間運動不足で太った体を引き締めましょう。

昨年36年ぶりに日本で狂犬病を発症した患者さん2名があいついで亡くなるという衝撃的なことが起こりました。お二人ともフィリピンで犬に咬まれ約3ヶ月後に帰国されたあと発症しました。あいにく発症したら有効な治療方法はありません。フィリピンでは毎年300人前後の死亡者がおり、犬も2,000頭前後発生しています。犬は約800万頭いますが、予防注射を受けているのは10%程度といわれています。狂犬病発生予防に有効な予防注射の接種率は70%といわれていますので狂犬病撲滅は到底困難な状況です。

また、中国では人の伝染病死亡者の中で結核についで2位が狂犬病です。伝染病死亡者の約20%を占め毎年2,500名の方が亡くなっています。お隣韓国では1984年に一度制圧された狂犬病が1993年から再流行しています。原因として接種率の低下が考えられています。発生前の3年間は20%を割っていました。その後50%近くまで摂取率を上げ発生は減少しています。しかし野生動物からの発生が心配されています。

さて日本の状況はどうでしょうか?日本は狂犬病予防法にもとづき輸入動物は検疫所で調べ水際で防ぎ、飼主さんが市町村に犬を登録し、年に1回の予防接種をうけることを義務づけているためその発生は1956年以来ありません。世界的にも稀な国となっています。だからといって油断してはいけないと思います。近隣の国は狂犬病発生国ですし、検疫所のない港湾での犬やほ乳類の上陸の可能性、輸入動物の増加、密輸の可能性、人間の国際的移動の活発化など。以前より増してその危険性は高くなっています。さらに接種率の低下がより危険率を上げています。

ひとたび発生すると不幸な犬達が増えるのは目に見えています。人に発生すれば混乱が生じます。「狂犬病予防接種をやるということは人の生命を守ることに貢献」していることとなるのです。ぜひとも愛犬の登録と狂犬病予防注射を受けてあげて下さい。

協力:北見市獣医師会

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2007年4月号掲載

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