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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.2

外の世界は危険がいっぱい(猫編)

猫にとって外の世界は大変魅力的でもありますが
危険がいっぱいです。

まずは交通事故です。冬の時期は車も視界が遮られやすく、猫を発見するのが遅れます。猫は一旦飛び出したら突っ走ってしまう傾向がありますので、事故につながることが多くなります。
この時期、人の間でも風邪やインフルエンザが流行っていますが、猫達もこの時期は風邪の症状で来院する事が多くなり、死亡する例もあります。
原因となる中心病原体は、猫ヘルペスウィルス、猫カリシウィルス、そしてクラミジアです。それぞれ単独感染のこともあれば混合感染のこともあります。感染経路はいずれも罹患猫との接触や人の手や器具による間接的接触、そして空気感染です。
共通する症状は食欲不振、元気消沈、くしゃみ、鼻水、目やになどで、病原体による特徴的な症状は鼻-涙分泌物が多かったり角膜潰瘍がみられるとヘルペスウィルスが疑われ、口腔内潰瘍の場合はカリシウィルスが考えられ、持続性の結膜炎はクラミジア関与が考えられます。
治療は猫は特にストレスに弱い動物ですので、自宅療法か通院がいいと思います。食欲廃絶やひどい脱水症状の場合は入院も必要となります。効果的な抗ウィルス薬がないことから、点滴、抗生物質、栄養補給などの支持療法が中心となりますが、免疫を高めて上げるために猫用のインターフェロンや抗ウィルス抗体を用いることもあります。多くの場合は以上のような治療で回復していきますが、中には治療に反応しない場合があります。追加検査をしてみると、猫のエイズウィルスや白血病ウィルスにかかっている場合があります。猫自身の免疫力が低下し、治療に反応しないのです。
全国的な調査によりますと、猫全体の猫エイズや白血病ウィルスの保有率は約2割ぐらいですが、外の猫に限りますとその感染率は3割以上にもなります。感染はだ液や血液で移りますのでケンカをする機会が多くなる外は危ないわけです。
しかし、外に行きたがる猫は多いと思います。事故やケガを防ぐよう繋いで出したり、ベランダや大きめなオリの中だけに放したりすることも考えてみてもいいかもしれません。猫が嫌いな方もいらっしゃるので迷惑にもならないでしょう。
また、ヘルペスウィルス、カリシウィルス、猫白血病ウィルスについてはワクチンがありますので、接種してあげるのもいいとおもいます。それと以外と小さな時から外に出さないで育てると出なくても平気なものですよ。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2004年1月号掲載

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