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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.172

犬や猫の輸血について

 

 今回は犬や猫の輸血についてお話をします。と言いますのも、今年アース動物病院で飼っている輸血犬(モモナ)が7歳を迎え、輸血犬として引退したからです。今までに50回ぐらいは採血をして、多くの犬達に輸血をしてきました。輸血をする相手は事故や腫瘍で大量出血であったり、免疫介在性貧血で極度に貧血になった犬達です。

人の血液型に「ABO式」、「Rh式」などの分類があるように、ワンちゃん、ネコちゃんにもそれぞれの血液型と分類があります。犬の分類方法は「DEA式」で、主な血液型はDEA1.1、DEA1.2、DEA3〜DEA13です。猫の分類法は「AB式」で主な血液型は、A型、B型、AB型です。犬は、初回の輸血の際は血液型が一致していなくてもあまり問題にならないと言われますが、これは、最初は他の型に対する抗体を持っていないためです。しかしながら、過去に輸血経験があったり、咬傷経験があったりすると、抗体が作られている可能性があり、2回目にその血液型が入って来たときに抗体が反応して拒否反応を起こすことがあります。ワンちゃんにはたくさんの血液型がありますが、輸血の際の血液の適合性をみるため重要なのは、DEA1.1の判定です。DEA1.1には陽性(+)と陰性(−)があり、DEA1.1(+)の血液をDEA1.1(−)に輸血すると急性溶血反応という命にかかわる状態に陥る危険性もあります。なお、その逆では問題なく輸血することができると言われていますが、毎回輸血する側とされる側の血液を使ってクロスマッチをやり、有害反応が出ないことを確認しています。

猫の血液型は3種類、日本にいる猫の多くはA型と言われ、B型は少数、AB型は非常に稀だといわれています。猫の場合は初回であってもA型とB型の相性が悪く、重症の急性溶血反応を起こし、命の危険を伴います。そのため、血液型を確認後、必ずクロスマッチを行います。

血液型判定をあらかじめ検査しておくのはメリットとなります。@ 安全な輸血を受けるのに役立つ

A 輸血用の血液を供給できる

B 不適切な交配を避け新生児溶血を予防することができる

猫ではB型のお母さんからA型の子猫ちゃんが生まれるような不適切な交配により初乳による新生児溶血が起ることがあります。また、病気になったときに検査をしても正確な判定が得られないこともあるので、いざという時のために、ご自身のワンちゃん、ネコちゃんの血液型は健康な時に調べておくと安心ですね!

人と違い、どうぶつの場合は献血を行い保存しておくような血液バンクなどの仕組みがありません。このため、動物病院によっては健康な若い犬や猫を供血犬、供血猫として飼育し、輸血が必要になった時に採血して輸血を行う方法をとっている病院がほとんどです。また、協力してくれる飼い主さんに呼びかけて、供血犬、供血猫の登録制度を導入し、いざ輸血が必要になった時に輸血用血液をもらうようにしている動物病院もあります。

引退したモモナはDEA1.1陰性でした。人で言えばO型。多くのタイプの犬達に輸血可能な血液型です。7年前に病院にやってきて、輸血が必要な時に出動!大人しく200ml前後の血液を頸静脈から取らせてくれました。これからゆっくりと余生を過ごして欲しいものです。お疲れさまでした。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2020年10月号掲載

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