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ペット広場タイトル

グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.160

北海道胆振東部地震を経験して日頃の備えは?

 

9月6日の早朝に発生した震度7の大地震。広範囲な土砂崩れの光景が目に焼きついています。多くの方が犠牲になり、今も避難所生活を送られている方がいらっしゃいます。心よりお見舞い申し上げます。

全道的な停電も起こし、物流を中心に多くの産業に影響がおよびました。動物への影響も胆振・日高地方を中心に産業動物たちに健康上の被害をもたらせました。震源の近くにお住いのペットを飼われている方は病院にも連れていけない状況が続きました。近郊の開業獣医師がいち早く駆けつけ診療にあたったとの報道がありました。胆振地方でのペットたちの怪我等の報告はありませんが、札幌では驚いて高所から飛び降り怪我をしたペットがいたと聞いています。また飼い主さん共々、大きなストレスも感じていたと思います。

大地震が冬の北海道で発生し、今回のような被害が出たらと思うと、日頃の備えをしておかなければならないと思われた方は多いのではないでしょうか。今回はペットを飼われている方の視点から少し書きます。きっと自分自身の備えにもなろうかと思います。

●電源確保:暖房、給湯、照明、電話(携帯、固定)、冷蔵庫などありとあらゆるものに電気が使われており、今回もそのありがたさが身にしみました。フード保管、養生、病院や家族への連絡など電気は必須です。ソーラー発電、電気自動車、発電機から電源を確保されている方もいらっしゃいました。車のシガレットライターから1500Wほどの電源を確保できるものもあるようです。しかし、継続時間が短いためやはり生活スタイルにあった発電機がいいかもしれません。この場合必ず野外で運転してください。何件も事故が発生しています。

●電源に頼らない暖房器具:やはりポータブルのストーブが1台あるといいですね。できましたらお湯が沸かせれるものがいいでしょう。ペットも寒くて体調を崩す子がたくさんいます。

●最低でも3日間のフードと水の確保:もちろん日頃からフードは数日分は用意されているかと思いますが、すぐに持ち出せるように災害用に準備されておくといいでしょう。

●常備薬は余裕を持って:心臓病や内分泌疾患の子達は毎日の薬が欠かせません。出来ましたら1週間ぐらい余分に処方してもらったほうがいいでしょう。今回の停電時も余分にあって良かったとおっしゃっている患者さんがおられました。薬と一緒に健康手帳を用意しておくとその子の病状がわかり、速やかな治療につながるかと思います。

●移動可能なキャリアに慣らせておくこと:少しずつではありますが、ペットの同伴避難の理解が広がっています。日頃からキャリアを使って遊ぶとか食事はキャリアの中で摂るとか少しでも慣らせておくとペットは安心かと思います。

●犬は登録を:自治体に登録し鑑札をつけておくと迷子になった時に飼主さんがわかります。マイクロチップ挿入や迷子札をつけておくのもいいでしょう。 もちろん人命優先で対応して欲しいですが、家族でもあるペットの災害に対する備えもしておき、できるだけ同伴避難して欲しいです。きっと避難している間の心の支えになってくれるでしょう。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2018年10月号掲載

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