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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.157

ふるさと納税で動物愛護

 

 新しい年度になる4月は多くの新人、新入生を迎えます。少しでも早く環境に慣れ、それぞれの場所でご自身の力を発揮していただきたいと思います。

「ふるさと納税」。返礼品でどこに納税するか考える方が多いとは思いますが、最近はどんな事業を応援するかで選ばれる方も多くなってきたようです。ふるさと納税の使い道に「動物愛護」という項目を掲げる自治体が全国各地に増えているのをご存知でしょうか。また各自治体が犬猫の殺処分ゼロを目指し、様々な活動を行ってきていますが財政上の問題で順調には進んでいないのも現状です。

「動物愛護」ふるさと納税の始まりは兵庫県尼崎市です。2012年から「ふるさと納税」の使い道に『動物愛護』が加わりました。きっかけは、尼崎市で猫の保護活動を行うNPO法人が、「動物愛護ふるさと納税」の創設を求める署名活動からでした。予想以上の納税額が集まり、これによって300頭以上の猫の不妊手術の助成金が確保できたそうです。多くの金額が集まったのは、日本の動物の殺処分の現状に心を痛めている人たちが多いからではないかと思えます。現在「動物愛護基金」のふるさと納税を設けている自治体は神奈川県、川崎市、名古屋市、長野市、大阪市、京都市、尼崎市、明石市、徳島県、広島県、福岡市、佐賀県、そして札幌市などです。動物のためのふるさと納税は何に使われているかというと、不妊手術の助成をはじめ、新しい飼い主への譲渡会、犬及び猫の愛護と適正飼養に係る普及啓発、動物愛護団体への助成、動物保護センターの建設など多岐にわたっています。1月に札幌市のこの春から始まる取り組みの説明会に行ってきました。札幌市動物管理センター、札幌市小動物獣医師会、NPOとが協力し、飼育放棄されたり、飼主不明な犬猫の新しい飼主さんを捜すにあたっての不妊手術の助成のために使われるふるさと納税です。納税目的と納税先を指定できるようになっていました。年間1000頭ほど対象がいるそうです。

動物愛護を明示したふるさと納税先がない場合でも「その他事業へ」と大きなくくりで活用方法を選べる自治体もあります。備考欄に、「動物愛護に活用してください」と記入し寄付することも可能です。ひとりでも多くの方が、ご自身が応援したい自治体や政策を選び、寄付いただけることを願っています。

オホーツク管内でも動物愛護活動を行っているNPOがあり、地道な活動をされています。北見市獣医師会でも北見保健所に収容された動物が新しい飼主さんの元に譲渡される際の不妊手術の助成を行っております。殺処分ゼロへの一助となる事業ですが財政的に厳しくなっています。今のところ「動物愛護ふるさと納税」の動きはないようですが、今後に期待したいです。

4月は雪解けの時期でもあります。そしてマダニたちが活動し始める季節です。各地でSFTSやダニ性脳炎などマダニ媒介性の病気が注目されています。山だけでなく普通の散歩コース、河川敷などにもマダニは潜んでいます。人もペットもマダニ対策をしっかり行ないましょう。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2018年6月号掲載

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