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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.123

ひつじ(未)年を迎えて

〜家族の安泰と平和を願う〜

新年あけましておめでとうございます。今年もつたない話ですが書いていこうと思います。よろしくお付き合いのほどお願いします。新しい年を迎え、皆様いかがお過ごしでしょうか。ペットたちもおせちのご相伴にあずかっているのでしょうか?

正月ですから今年の干支の羊の話をしましょう。羊で思い出すのが、叔母に毎年編んでいただいた毛糸のセーターと、帯広畜大入学歓迎会でのジンギスカン鍋です。知らず知らず私たちは生活する上で様々な恩恵を、羊からいただいています。家畜化されてから約8,000年と言われ、はじめは脂肪と毛を摂る目的だったようです。羊は厳寒の地や乾燥地帯でも育ち、遊牧民にとっては大変貴重な栄養源であり、防寒のための素材となりました。

また、羊毛の中でもウールと呼ばれる下毛はたいへん貴重で、品種の改良と織物技術や染色技術の進歩により、一大産業となり、外交の手段としても使用されてきました。今では私たちの洋服のほとんどにウールは使われています。

羊の肉は西日本の人にはなじみがうすいですが、世界中では様々な素材とあわせて料理になっています。宗教上の理由で豚を食すことのできないイスラム教徒や、牛を聖なる生き物とみなすヒンズー教徒の間では代表的な食肉となっています。また、キリスト教やユダヤ教では「羊は神への捧げもの」「清い動物」「食してもいい動物」とされ、象徴的な意味合いを持ちます。

その他に羊乳は摂れる量は少ないがチーズとして利用されて、腸は弦楽器やテニスラケットのガットや以前は手術の吸収糸として使われていました。打楽器のフェルトも羊の皮です。そして脂肪は食用だけでなく石鹸や化粧品や医薬品の原料としても使われています。どうですか?羊ってすごいですね。

現在世界では約10億頭が飼育され、飼育数1位は中国、2位はインド、3位はオーストラリアです。日本は約1万2,000頭で世界で158位です。都道府県別では、もちろん北海道が飛び抜けています。

日本の羊は、599年に朝鮮半島の百済から貢ぎ物として送られたとされています。しかし気候が合わず定着はしませんでした。明治に入ってから軍用毛布や軍服などの戦備品としての需要があり、本格的に飼われ始め、一時は100万頭まで増えたとされています。その後化学繊維の台頭や羊毛の自由化で衰退してきました。

しかし健康志向で羊肉が支持されたり、本物志向で国産の羊毛が見直され、根強い人気があります。そういえば私の同級生が経営している白糠の茶路めん羊牧場も、こだわりの食品、製品を作っていますので応援しています。

羊年は十二支の8番目で、未年と言います。この「未」は木々が茂り、これからまだ伸びる様子を象形文字で表したものだそうです。成長途上という意味があるようで、将来の豊作を願った文字でもあります。また、群れをなす羊は、家族の安泰を示しいつまでも平和に暮らすことを意味しています。

震災から間もなく4年。今年も東北を忘れず、皆様の安泰と平和に過ごされることをご祈念します。今年もよろしくお願いします。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2015年1月号掲載

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