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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.104

動物たちの帰巣本能

〜帰りたい場所があればこそ〜

今年ほど春を待ちわびた年もなかったのではないでしょうか。
畑もなかなか入れない状態だったと聞きます。
遅れを取り戻そうと、まさに今が忙しい時期ではないでしょうか。
また、雪解けが遅かった分、マダニも少しおくれて悪さをしています。
毎日のように犬がマダニに咬まれて訪れます。
何より咬まれないようにすることが大切です。
予防は首輪タイプ、スポットタイプ、飲み薬があります。
動物病院に相談してみてください。

さて今回は動物たちの「帰巣本能」について書こうと思います。
たまたま5月のある日、ラジオを聞いていると「ウズベキスタンの猫がロシアで飼主と離ればなれになり、数ケ月かかって3,200kmも離れた家に帰ってきた」という話題を耳にし、驚きと我が家の犬や猫もできるのだろうかと疑問に思い、少し調べてみました。
まず「帰巣本能」とは、遠く離れた場所から自分のテリトリーや生まれ故郷に自ら帰ることが出来る、生まれながらに持った特別な能力のことです。

渡り鳥、鮭、うなぎ、ヌーなど野生の動物たちは、生まれながらに「帰巣本能」を持っています。
それは生きるためだったり、子孫を残す為に必要な能力です。
人が飼っている動物では伝書鳩が有名です。
紀元前5,000年頃からその能力を利用して、通信手段や薬などの運搬に19世紀後半まで使われていました。
現在も競技としてその能力を競っています。

ではペットとして飼っている犬や猫はどこまでその能力があるのでしょうか?
インターネットで調べてみますと結構な数の事例が載っていました。
4,800km移動したコリーミックスの子犬のボビー、120kmの山岳地帯を帰ってきたハスキーのムーン、引き取られて一ケ月後に80kmの道のりを帰ってきたビーグルのレーザーなど、枚挙にいとまがありません。
「帰巣本能」のメカニズムはどういったものなのでしょうか?
はっきりとはわかっていないということですが、(1)地上の目印を記憶している (2)太陽や星の位置と体内時計から計算 (3)地磁気を感知している (4)臭いの違いを感知している (5)これらを複合的に利用しているなどが考えられています。
いわゆる自然のナビシステムが備わっているようです。

しかし、全てのペットにこの能力が備わっているならば、迷子のペットはいないはずです。
人間にも方向音痴の方がいるように、動物の「帰巣本能」にも大きな個体差があるようです。
今飼っているペットが迷子になったとき、まっすぐ、そして安全に帰ってきてくれればいいのですが、「帰巣能力」が劣っているペットなら心配です。
鑑札やマイクロチップは、人間に保護されたときにとても役に立ちます。
装着・挿入することをお奨めします。
ペットにとっての「巣」とは、安全で、最も居心地の良い「あずましい」場所だと思います。
それは大好きな家族とともに過ごす「家」なのでしょう。
迷子にならない対策も考えておいてください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2013年6月号掲載

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