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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.85

「うんち」何回も踏ん張っていませんか?

大腸・肛門の腫瘍

11月になり、雪虫が飛び、初雪の便りも届き、冬支度を始めているところかと思います。
4、5ケ月間の長い冬に備えることはたくさんあります。
ストーブ、衣服、冬タイヤなどなど。
忘れてはいけないのが、外で飼っている高齢な犬の防寒対策。
毎年「シバレ犬」が来られます。くれぐれもご用心!
今回は「うんち」第2弾です。飼っている犬猫ちゃんは、ウンチをするとき何回も踏ん張っていませんか?
便秘症とか会陰ヘルニアとか腫瘍以外でも同じような症状を訴えますが、今回は腫瘍のことについて書きます。
何回も踏ん張るのはなぜか?1つは便意をもよおす。
もう1つは出したくても出せない状況が考えられます。

便意をもよおす代表的な腫瘍は大腸、特に直腸の腫瘍です。
直腸腫瘍の症状は、便秘と下痢を繰り返す、便に血が混ざるなど、目で見てわかる症状の他に、便意を錯覚させる症状があります。
ウンチをしようと息んでも、ウンチが全く出ない症状です。
これはテネスムスと言われている症状で、直腸にある腫瘍を脳が便と錯覚し、何回も踏ん張るのです。
腺癌などの悪性腫瘍のみならず、ポリープなどの良性腫瘍の場合も繰り返す便意があり、最近ではミニチュア・ダックスフントの炎症性ポリープが多く報告されています。

ウンチが出したくても出せない状態とは、物理的に狭くなっているか、強烈な排便痛があることが考えられます。
大腸の腫瘍が内側に大きくせり出し内腔が狭窄している状態や、出口である肛門に大きな腫瘍が多発し肛門を狭くしている状態です。
また、排便痛を伴うものには、肛門や肛門周囲に炎症を伴う腫瘍がある場合が考えられます。
肛門周囲の腫瘍は去勢していない中年以降の雄に多く発生します。つまり、去勢で予防出来る腫瘍でもあります。

PS.最近犬猫の交通事故が多いように思います。
収穫期の最後の追い込みで交通量が増えます。
犬や猫を放し飼いにしないとか、散歩中はリードを離さないなど、気をつけてもらいたいものです。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2011年10月号掲載

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