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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.48

動物のためのヒューマンアニマルボンド

〜動物へのウェルネスケア〜

6月はいろいろな花が一斉に咲きほこり、新緑が萌える季節です。本州では梅雨に入りますが北海道ではもっともさわやかな時期となりますね。

前回の続きですが、今回は[動物のため]のヒューマンアニマルボンドのお話をしたいと思います。  今回のキーワードは「ウェルネスケア」です。ウェルネスケアとは人間のほうでもよく聞くと思います。「良い状態を維持する」「病気も小さな異常も全くない状態」という意味です。欧米や日本では動物を家族の一員と考える飼主さんは70%を超えています。そして家族の一員=動物に対するウェルネスケアを積極的に行う流れができつつあります。  動物が長生きしないこと、動物が病気になること、動物の生活の質(QOL)が下がること、動物と人との関係に問題が起こることは全てヒューマンアニマルボンドに対する障害となります。

今までの動物医療は治療と伝染病の予防を主に行ってきました。家族の一員として健康に過ごしてほしいし、病気になってもその回復を願い、動物病院の来られる飼主さんは増えてきました。それに応えるべく管内でも病院は増え、技術も向上してきています。 しかし、動物へのウェルネスケアについてはまだ始まったばかりです。 「ゆりかごから墓場まで」ではありませんが、動物を飼い始める前の相談、交配前の注意事項、お産前の心がまえ、赤ちゃんの育て方、子犬子猫の社会化期の過ごし方、避妊手術や去勢手術の意義、寄生虫や皮膚の感染症の予防、栄養管理、歯科のケア、皮膚の手入れ、しつけや問題行動への対処、各病気になったときの心の持ちよう、死を迎える準備、ペットロスへの理解など書ききれないほど要望はあります。

もちろん、動物病院単独ではできるものではありません。幸いにもこの地域はペット屋さん、ペット用品店さん、ペットシッターさん、ペット霊園さんの方々、そしてペットを亡くした飼主さんを支えてくれる方や音楽家など理解していただいている皆さんがいらっしゃいます。  ペットの運動会や新しい飼主さん捜し、健康相談会などが行われ、その基礎は10年以上前から培われています。全国的に見てもめずらしくすばらしい所だと思います。よりよい方向に進んでほしいし、私たち伴侶動物医療従事者も日常の診療にプラスして、少しでも動物のウェルネスケアができればと思います。

関連したことですが、7月29日(火)北見芸術文化ホールにて「聴導犬について(仮題)」の講演会があります。人と動物の絆、処分寸前の犬が聴導犬になるまでの話などの内容となっています。  福祉関係者、動物を飼っている方のみならず一般の方々にも是非とも聞いていただきたいと思います。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2008年6月号掲載

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