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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。 アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.37

夏に向けた暑さ対策

今年の夏は全国的に暑くなると予想されています。当院でも6月に入ってからすでに熱射病で来院されたワンちゃんがいました。北海道と言えども安心はできません。ということで暑さ対策について今回は書きましょう。
まずは熱射病対策です。日射しが強い日中に散歩したり、高温の日に逃げ場のない部屋や車の中に閉じ込められたり、風通しの悪い場所で飼育されていると体熱の放散が制限され、体温は正常な機能維持ができなくなるほど上昇します。体温計が振り切れる(42度以上)こともあります。症状は急激な体温上昇のほかに、呼吸困難、チアノーゼ、起立困難、瞳孔散大などがみられ、ショック状態に陥り、やがて昏睡状態になり亡くなる場合もあります。
短頭種(シーズー、ボクサー、パグ、ブルドック、ペキニーズなど)の犬たちは構造上咽頭が狭いため普段から呼吸がしづらい状況ですが体温が上がると益々呼吸回数も増え、喉が腫れやすくなり熱射病になりやすいです。肥満だったり、非常に神経質で、不安感の強い子たちもすぐに呼吸回数が多くなり過呼吸に陥りやすいのです。心臓疾患や上部気道疾患を持っている場合も換気不全になりやすく体温上昇しやすくなります。本来の病気のコントロールも難しいのに熱射病が重なるとたいへんです。
治療はできるだけ早く体温を下げてあげることが重要で軽症の場合はこれだけで治まります。ホースで冷水をかけたり、クーラーで冷やします。それでも治まらない場合はできるだけ早く動物病院に連れていきましょう。病院では静脈を確保し、腎臓、血液ガス、心臓、肺の状況を把握して肺水腫にならないよう注意しながら尿の産生が見られるまで点滴を続行します。多くの場合、数日の入院が必要です。
熱射病を防ぐためには日陰のある風通しのよいところで飼育することと、夏の間は毛をカットするなどして涼しく過ごせるようにしてあげてください。クーラーの過信はよくありません。いわゆる「クーラー病」で体調を崩す場合もあります。猫も発症しますが、猫が口を開けて呼吸している場合はかなり呼吸が苦しい状態ですので、さらに厳重な対処が必要となります。  楽しいはずの夏を快適に過ごすためにも、少しペットたちにも心使いをお願いします。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2007年7月号掲載

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