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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.165

イヌ・ネコの熱中症予防対策

 

 5月下旬記録的な高温になり、佐呂間町では39.5℃まで上がりました。このまま夏に突入かと思いました。イヌのフィラリア症の予防期間を見直そうと考えた夏のスタートでした。

8月 夏真っ盛り、今回は熱中症のことを書こうかと思います。日本気象協会ってご存知ですよね。天気予報の情報を各方面へ提供している公益法人です。その気象協会が熱中症ゼロのプロジェクトを行なっています。今年日本動物愛護協会と協賛企業とで「イヌ・ネコの熱中症予防対策マニュアル2019」を作りました。ペットたちのためにこのようなマニュアルを作っていただき大変助かります。北海道の夏は短いですが、日中はかなり暑くなりますのでその対策は必要です。

そのマニュアルを少し紹介します。気温が32℃のとき散歩をしているイヌたちの顔の高さの温度は36℃以上になっています。そして湿度が高いとさらに熱中症になりやすくなります。その症状はどうでしょう。初期はハアハアと激しい呼吸をし、よだれが多くなります。結膜や舌などがうっ血、充血するようになり、脈も増えてきます。さらに重症化すると虚脱状態、嘔吐・下痢、意識が混濁、痙攣発作、肺の炎症が進み呼吸困難になっていきます。死亡する場合もあります。少しでも異変を感じたら動物病院へ連れて行くのはもちろんですが、そうならないようにするためのミニ知識はぜひ身につけてほしいものです。まず屋内の場合、風通しを良くしておき、ペットが自由に居場所を選択できるようにしておくことが大切です。暑ければ自分で涼しいところを見つけるものです。室温は26℃以下にしておきましょう。また直射日光に当たらないようにしてください。屋外ではこまめな水分補給をしてください。時には体表に水道水をかけることもいいでしょう。風がなければ、うちわなどで風を送り気化熱を利用して簡易的な体幹冷却を行うのもいいです。外気温が25℃以上の場合、車内に閉じ込めてしまうと数分で熱中症になりやすいです。活動的なイヌや興奮しやすいイヌは、さらに低い気温でも熱中症のリスクがあります。特に注意が必要な犬種や猫種はいわゆる短頭種です。イヌではフレンチブルドック、パグ、シーズーなど。ネコではペルシャ、ヒマラヤンなどです。この子たちは気道が狭く、短いため呼吸による体温調整が苦手です。また、肥満体型のペットも熱中症に陥りやすいです。体内に熱がこもりやすく、首の周りの脂肪によって、呼吸機能が低下しやすくなるのです。

散歩時の注意点ですが、朝の涼しい時間帯と夕方の日が落ちてからがオススメです。実際に散歩前にアスファルトを触って温度を確認するといいでしょう。出来るだけ芝生や土の上を歩くコースを選びましょう。こまめに水分をとり、木陰で休むことも心がけてください。そして散歩のあと熱った体を冷やすことも忘れないようにしてください。風を当てたり、水をしぼったタオルで脇や内股を冷やすたり、冷却グッズを使うのもいいでしょう。熱中症に気をつけて、短くても楽しい夏をお過ごしください。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2019年8月号掲載

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