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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.73

声の出方が変わっていませんか?

〜喉頭の病気〜

今年の夏は、北海道も含めて日本中が猛暑でしたね。 ペットたちは体調を崩しませんでしたか? まだ残暑が続くかも知れませんが、熱中症には気をつけて下さい。 今回は喉頭の病気の話をします。喉頭は喉の奥にある気管の入口です。 喉頭の役割は、呼吸に合わせて喉頭が開くことでスムースに空気が気管に流れ、水などを飲み込むときには、気管の中に入らないように塞いだりします。 また、声帯がありますので吠えたり、鳴いたりするのも重要な役割です。 それらを筋肉、靭帯、軟骨、骨が調和をとって動かしているのです。

喉頭の病気で多いものは、喉頭麻痺、炎症、腫瘍などです。 『喉頭麻痺』は、喉頭の動きに関係する神経になんらかの原因が生じて、声帯やその他の筋肉の動きが障害された状態です。 ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ジャーマンシェパード、アフガンハウンド、アイリッシュセッターなど活発な大型犬で、壮齢から老齢にかけて多く発症します。 シベリアンハスキー、ブルテリア、ダルメシアンなどには、生まれつきこの病気を持つものもいます。 頸部や胸部の外傷や腫瘍によっても起こることがあります。 『喉頭炎』はウイルスや細菌の感染、アレルギー、刺激物の吸引によって引き起こされます。 『喉頭の腫瘍』にはリンパ腫、扁平上皮癌、腺癌などがあります。

いずれの病気でも、初期の段階は声の音質が変わったり、咳をしたり、ものが飲み込みづらくなっているはずです。 一見『風邪』のような症状なのですが、飼主さんがこの段階で見つけるのはなかなか難しいと思います。 早期の発見ができますと、内科療法で対応できるものも多いです。

しかし多くの飼主さんは、ものが全く飲み込めないとか、呼吸困難になってから来院されます。 すでに声帯の筋肉が麻痺して動かなかったり、炎症や腫瘍で声帯や気道が腫れて狭窄を起こしているのです。 こうなると緊急処置が必要となってきます。 麻酔にはとても気を使いますが、気管切開、声帯切除、軟骨形成術、腫瘍の場合は種類や広がりによっては喉頭自体を切除する場合もあります。

できましたら、声が変化したり、咳をしたり、空気を吸うときにヒューヒュー、ゼーゼーと音を立てたりした時に診せていただけるのがいいのですが…日頃の観察をお願いします。 食欲の秋ですが、夏にせっかくダイエット出来た犬や猫ちゃん! あまり食べ過ぎないようにして下さいよ。 そしてネギ、タマネギは食べさせてはいけません。これ基本!!

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2010年9月号掲載

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