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ペット広場タイトル

グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.129

高齢動物の介護について

〜老いは病気ではありません〜

短いですが暑い夏がやってきました。動物たちの暑さ対策も考えておきたいですね。日差し、風通し、気温には気をつけてください。特に外で飼っている高齢のイヌは体温調整が上手くいきませんので注意が必要です。4月号でも動物介護(老齢介護)について書いてきましたが、このような話題が出始めたのはここ20年ぐらいのことです。

ペットたちの平均寿命が急速に伸び始め、高齢のペットたちが増えてきました。長生きするようになった理由は、「獣医療の進歩」の他に、飼主さんの意識の向上が大きく関係しています。それはペットの病気に対する病気の予防意識が浸透(ワクチン、フィラリア・マダニ予防、避妊去勢手術など)、ペットフードの進歩と健康志向の高まりによる栄養状態の改善、また人々はますます忙しく、ストレス社会になっていく中で、仕事から解放されて家に戻った時に無償の愛情や癒しを与えてくれるペットへの愛情が深まったことなどが考えられます。

ペットが伴侶動物としていつもそばにいる存在になってきました。そうするといつもペットのことを考え、ちょっとした変化に気づくようになり、異常を見つけ、心配なら動物病院へ連れて行かれる方が増え、早期発見・治療となり、長生きすることにつながっているかもしれません。ペットが長生きすることは飼主さんにとってとても喜ばしいことです。しかし私たちも歳を重ねていくように、ペットたちも老化により、少しずつ若い時のような活発さはなくなり、足腰が弱ったり、よく眠るようになっていきます。

老いは生き物である以上、避けることはできません。老化はその過程であって「老化は病気ではない」ということを認識し、受け止めていただきたいと思います。「高齢だから仕方がない」と半分諦めている飼主さんもいらしゃいます。一方で献身的に介護をされている方も数多くいらしゃいます。介護を受けているペットたちと飼主さんの姿を見ると、日々大変だとは思いますが、幸せな空気が流れているのを感じます。介護するって有り難いことかもしれませんね。

一方、「歳だから」とおもっていた症状の中には、治せたり、緩和できる病気のこともあります。食べなくなったというのも、工夫しだいで食べられる場合もあります。一度かかりつけの動物病院に相談してみることをお勧めします。歳をとっても、可愛くて、愛しい存在のペットたち。一緒に過ごす掛替えのない時間を穏やかな気持ちで過ごしていただきたいですし、私たちも過ごしていきたいです。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2015年7月号掲載

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