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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.88

動物たちの麻酔について

より安全な麻酔のために

1年で最も寒い時期を迎えました。
今冬は例年より雪が多く、寒いですね。
除雪などで事故にあったり、腰を痛めないよう気をつけましょう。
先日の都道府県対抗駅伝(1/22 広島)の優勝チームは兵庫県でした。
17年前に神戸淡路大震災を経験した監督として、「阪神大震災の被災地から東北の被災地へ勇気と最後まであきらめずに頑張れば、いい結果が残るということを伝えたかった。」と言われてました。

今回は麻酔のことを書きたいと思います。
麻酔って?
医学辞書には「神経機能の薬理的抑制または神経機能障害により生じる感覚消失」と難しいことが書いてありますが、つまり、薬を使ってさまざまな神経機能(反射や手足を動かすなど)と、痛い・寒い・熱いなどの感覚を一時的に失わせること(一種の睡眠状態)が「麻酔」です。

そして麻酔は動物の状態に合わせその深さを調整できることと、必ず元の状態に戻すことが求められます。
もし麻酔をしないで手術をしたらどうなるでしょう。
考えただけで鳥肌が立ちますが、痛み・恐怖という強烈なストレスと侵害刺激により、内部恒常性の維持が困難になり、ショック死をすることがあります。
このようなことを避けるために「鎮静剤、鎮痛剤でストレスを除去し、麻酔薬で動物を動かないようにする」という〔麻酔の3要素〕が生まれました。
また、生体組織に酸素を十分に行き渡らせ、二酸化炭素を排泄するための「気道の確保」「換気」。この二つを維持するための「血液循環」が〔命を守る3要素〕と呼ばれてます。

もちろん我々も飼い主さんも動物たちに安全な麻酔を、と望んでいます。
安全な麻酔のために必要なことは何でしょう?
「麻酔の3要素」と「命を守る3要素」をバランスよく保つことと言われています。
鎮静剤や鎮痛剤、そして麻酔薬については日進月歩で効果の高い安全なものが出て来てます。
それらの情報をキャッチして使用するようにしています。「命を守る3要素」のためには、動物たちの状態の把握が大切になってきます。
喉頭、気管、肺の状態、心臓の状態把握は特に重要です。

また、麻酔薬の排泄には腎臓機能、肝臓機能、筋肉量、脂肪量などが関わってきます。
特に重篤な症状の動物や高齢動物の手術を行う場合は、術前の詳しい検査が必要でしょう。
それでも100%安全とは言い切れませんが、備えておくことが大切です。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2012年2月号掲載

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