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グラ・コムペット広場は、毎月のように送られてくる読者からの要望により2003年8月号より連載がはじまりました。その時々の人気のペットの紹介や育て方、接し方などに触れながら続いてきました。
アース動物病院院長 高良広之先生による医療コラムは、2003年12月号より連載が始まりました。グラコムネットではペット医療コラムとかわいい自慢のペット達を紹介する「みんなのひろば」のコーナーがあります。ぜひ参加してくださいね。

ペット医療コラム Vol.74

ワンちゃんたち、痒くありませんか?

〜皮膚病について〜

10月に入り、すっかり秋らしくなりました。あんなに夏は暑かったのに、ちゃんと季節は巡ってくるものですね。夏の猛暑の影響が農作物に大きな影響がなかったか心配です。 夏から秋にかけて増える病気があります。皮膚疾患です。 今回は皮膚疾患について書きます。 皮膚には多くの役割があります。
「バリア機能」 : 外からの侵入を防ぎ、内から外への流出を防ぎます。
「感覚器」 : 触感、温冷、痛い痒いを感じる。
「外殻」 : 生体の外形を形作る。
「体温調整」 : 被毛、立毛筋、皮下の毛細血管。 他には 「免疫調整」、 「ビタミンDの合成」などがあります。

動物保険会社のアニコム損害保険会社の『家庭どうぶつ白書』によりますと、犬の皮膚科疾患の通院数は6月から増加し始め、8~10月にピークを迎えるようです。 これは日本全体の傾向ですので、北海道ではもう少し前の方にずれると思われます。 夏から初秋にかけて皮膚疾患が多い原因は、犬の皮膚や被毛が蒸れやすく、汚れや皮脂がたまりやすくなったり、草むらに行き細かい傷が皮膚にできやすくなったりして、細菌や真菌が感染しやすくなったり、マダニなどの寄生虫がつきやすくなるためです。

アレルギー性皮膚炎も、場合によっては季節が関係することがあります。白樺などの花粉が飛沫するころに悪化したり、ある一定の草花に近づくと悪化する場合もあります。 また、アレルギーの一つですが、アトピーも増加傾向です。遺伝的素因が関与する痒みを主徴とする慢性皮膚疾患で、その子の体質です。 アトピーからくる痒みはとても強く、掻き傷を作り、夜も眠れない子もいます。できるだけ痒みがひどくならないようにしていくのが治療の主体となります。

このように季節性のある皮膚疾患もありますが、1年中起こりうる皮膚疾患もあります。 大型犬が減少傾向で、室内犬が増加し、散歩の頻度が減ったり、気密性のいい家が多くなりハウスダストに接する機会が多くなったりするためではないかと言われています。 また、ヒトの世界でも言われていますが、精神的な原因で皮膚病が悪化することも多くなっています。 引っ越し、家庭環境の変化、散歩の減少、飼主さんと犬とのコミュニケーション不足も一因と言われています。 同じところを舐めたり、後ろ足で掻いたりして皮膚病を悪化させます。食事とか飼主さんとの遊びの時には、舐めたり掻いたりするのを中止出来るほどの痒みです。

犬全体の皮膚疾患の罹患率は約22%と言われています。皮膚疾患の多い犬種はフレンチ・ブルドッグ(44%)、パグ(35%)、シーズー(32%)、ゴールデン・レトリバー(27%)、柴犬(28%)などです。 アレルギー性の皮膚疾患になりやすい犬種とも言えます。 犬の皮膚病の原因は変化しており、ヒトの生活環境と密接に関係しているようです。

アドバイス:アース動物病院 院長 高良広之氏
北見市北進町4丁目3番43
TEL0157-22-6367
グラコム2010年10月号掲載

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