タイトル

保湿剤


 今日も嶋川先生とのぞめさんはバーザムーンのようです。
【嶋川、のぞめ】「今晩は。」
【田杉、島大】「いらっしゃいませ。」
【島大】「嶋川先生、今日も少しお聞きしてもいいですか?」
【嶋川】「勿論大丈夫ですよ。今日はどうしましたか?」
【島大】「はっきりとは覚えていないのですが、最近のニュースで保湿剤が美容に良いとか、それは保険診療では良くないとか、そのような話を聞いた記憶があるのですが、内容が良くわからないのです。正確にはどのようなお話なのでしょうか?」


【嶋川】「なるほど、そのお話ですね。まず最初に問題なのは、ヒルドイドという保湿剤が、美容に良いという話がネットなどを通して広がり、その結果多くの女性が特別な皮膚の病気がないのに、ヒルドイドを処方してもらう目的で医療機関を受診したという事です。そして次に、一部の医療機関で、それらの女性の希望するままにヒルドイドを処方していたという点です。多くは東京などの大都市の美容クリニックだと思いますが。この保湿剤は医薬品であり、美容目的に使用するものではないですし、美肌効果があるなどの客観的なデータも勿論ありません。また、不適切な使用などにより皮膚のかぶれなどのトラブルが起こる可能性もあります。美容目的に医療機関を受診する側にも問題がありますが、皮膚の病気でない事が分かっていながら医薬品を処方する医師側にも問題があります。」
【島大】「なる程、良く分かりました。それと保険診療の上でも問題があると聞きました。」
【嶋川】「それについてまだ詳しい事は分かりませんが、必要のない患者に美容目的で医薬品を大量に処方しているとなると、国の医療費の増加につながります。そのため、もしも今後、このお薬の処方制限などの指導がなされると、本当に必要としているアトピー性皮膚炎や乾燥性皮膚炎の患者さんが必要な薬を使えなくなる可能性も出てきます。こうなってしまうと大きな問題になります。患者さんも我々医師も、十分に気をつけなければいけない事だと思います。」
【島大】「良く分かりました、有難うございます。」
【田杉】「今日は何にしましょうか?当店では、お好きなものを何でもおっしゃって結構です。」
【のぞめ】「有難うございます。それではいつものでお願いします。」
2017年11月29日(水) No.821 (川嶋先生(皮膚科)のコラム)

女性と漢方(159) 〜月経困難症と漢方薬〜


 いわゆる生理痛のひどい症状を月経困難症といいます。その中でも子宮筋腫や子宮内膜症などの器質的異常のないものである機能性月経困難症に関しては60〜70%の症例に対し鎮痛剤の頓服で即効性はありますが、一時的..
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2017年11月29日(水) No.820 (山内先生(産婦人科)のコラム)

乳児3、4か月健診


 乳児健診は、赤ちゃんの発育状態を確認すると同時に、お母さんの育児に対する不安を解消する大切な役割があります。法律によって義務付けられている健診は、1歳半と3歳健診の2回です。その他多くの市町村で3か月健診(北見市は9か月)が行われ、公的な健診は3回となっています。これらの健診はほぼ100%に近い受診率となっています。


 各健診のキーポイントについて述べてゆきましょう。
【3、4か月健診】
人の顔や声に反応し始め、体重は出生時の約2倍になり、著しい成長を見せる時期です。
 満期産では、4か月では体重はおおむね6圓魃曚┐討い泙后1浜槓法は母乳のみが40%、混合栄養、人工栄養がそれぞれ30%程度です。
 1日の覚醒、睡眠のリズムは多くの児でできてきていますが、半数くらいの児ではまだ夜間、夜中の授乳があります。
 4か月では、約90%の児でほぼ首がすわり、腹ばいで頭部を挙上します。
 当院で行っている健診の流れは、まず身体計測(体重、身長、胸囲、頭囲、カウプ指数の計算)の後、股関節のレントゲン撮影があります。医師の診察(心音、呼吸音の聴診、追視の有無、大泉門の状態、股関節の開排制限の有無、首のすわりのチェックなど)、気になっている点について質問を受け、生後2か月から開始されている予防接種の状況、スケジュールなどについてお話ししてゆきます。
 最後に、そろそろ始まる離乳食などについて栄養士さんからアドバイスがあります。
【3、4か月健診のキーポイント】
■体重は、出生児の約2倍(少なくとも5坩幣紂法■影約20〜30g増加
■首がすわる
■目で動くものを追う(追視)
■あやすと笑う
■手を開く、つかむ(手にふれた物をつかまなかったり、持たせた物をすぐ放すことはしない)
■声のほうに振り向く
2017年11月29日(水) No.819 (秋山先生(小児科)のコラム)

医薬分業のデメリットについて


 前回話したように、今回は紙面の都合上医薬分業のメリット、デメリットのデメリットとその理由についてお話します。まず、主なものを挙げるとこの3点になるかと思います。
〔局へ行くのが面倒。
 これは..
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2017年11月29日(水) No.818 (原口先生(薬剤師)のコラム)

類天疱瘡


 今日も嶋川先生とのぞめさんは、バーザムーンのようです。
【嶋川、のぞめ】「今晩は。」
【田杉、島大】「嶋川先生、のぞめさん、いらっしゃいませ。」
【島大】「先生、今日もまたお聞きしたい事があったのですが、宜しかったでしょうか?」
【嶋川】「勿論です。今日はどうしましたか?」
【島大】「親戚のおじいちゃんの事なのですが、先月頃から体に水ぶくれが出来始めて、少しずつ数が増えて来ているようなのです。熱とかはないと言っていましたが、まさか水ぼうそうとかではないですよね。」
【嶋川】「水ぼうそうは勿論子供の病気ですが、子供の時に罹っていないと大人でも水ぼうそうになる事もあります。でも今のお話を聞くと、さすがに水ぼうそうではないと思います。恐らく、水疱性類天疱瘡という病気ではないでしょうか?」


【島大】「初めて聞く病名です。難しい病気なのでしょうか?」
【嶋川】「原因はまだすっかり分かってはいないのですが、自分の皮膚に対する抗体というものが出来て、その働きで抗体が自分の皮膚を攻撃して、次々に水疱が出来る病気です。放っておくと体中水疱だらけになってしまいますので、早めに皮膚科を受診した方が良いと思います。」
【島大】「皮膚科を受診すると、すぐに分かりますか?」
【嶋川】「診察だけで大体わかるのですが、実は体に水ぶくれが出来る、水疱性類天疱瘡と似た病気には、他にも幾つか別のものもあるのです。そのため、血液検査あるいは皮膚の一部を顕微鏡で調べる生検と呼ばれる検査が診断確定に必要なこともあります。」
【島大】「治療はどのようなものになるのでしょうか?」
【嶋川】「塗り薬だけで治療するのは難しく、ステロイドホルモン剤の内服をしばらく続けなくてはいけないケースが多いです。様子を見ながら少しずつお薬を減らしていきます。」
【島大】「治りますか?」
【嶋川】「治療によって水疱は出なくなりますが、お薬を止めるとまた出てくることが多いので、治療は長くかかるかも知れません。」
【島大】「分かりました、有難うございます。ところで今日は何をお飲みになりますか?」
【のぞめ】「今日もいつものでお願いします。」
【田杉】「竹鶴の水割りですね、ただ今お作り致します。」
2017年11月01日(水) No.817 (川嶋先生(皮膚科)のコラム)

女性と漢方(158) 〜手術後の「冷え」に漢方薬〜


 『32歳Mさん。2回流産後に、月経痛がひどく、子宮内膜症の診断を受け、他施設にて両側の卵巣嚢腫を摘出し、手術後の癒着も指摘されていた。現在は「冷え」に困っており、漢方薬を試してみたいとの事で、当院受診。』
 Mさんには「冷え」がとにかくつらいという症状から『当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)』をまず飲んでもらいましたが、一時的に温かくなる感じはするもののイマイチの反応でした。症状をよく聞いてみると、「冷え」ばかりではなく、「お小水をした後に不快感が残り、また全身が疲れやすい。」との事でした。尿検査では異常所見はありませんでした。


 そこで、Mさんには『真武湯(シンブトウ)』に変えてみたところ、「今度の薬は身体の芯から温まる感じがする。冷えがひどいときの腰痛にも効いている。最近は疲れもとれて食欲があるし、冷えによって起こっていたのか分からないが、膀胱の症状も良くなった。」との事。
 東洋医学では「冷え」という症状を非常に重要に考えます。「冷え」があるとないかでは漢方薬も根本的に大きく変わってきます。『真武湯』は、冷え症で虚弱な体質の諸症状に用いられますが、胃腸が弱く疲れやすく、やや尿の出が悪いような方にはより有効です。「冷え」には『真武湯』にも含まれている「附子(ブシ)」という生薬が有効です。「附子」はトリカブトの根で、昔アイヌ人が毒矢として矢の先に塗っていたといわれる毒性の強いものです。しかし、漢方薬ではこういうものまでうまい使い方をして身体を温めて「冷え」を治す妙薬にしてしまうのです。
 その後、Mさんは胃腸の症状に重点を置いて、『六君子湯(リックンシトウ)』に「附子」の粉末を加えて飲んでもらい、日常生活が快適になったようです。さらにMさんは散歩をしたりして積極的に身体を動かすように心がけるようになり、その点も症状の改善に大きく貢献しているように感じました。
2017年11月01日(水) No.816 (山内先生(産婦人科)のコラム)

小児の受動喫煙 その タバコと微小粒子物質(PM2.5)


●北見市でも測定
 2013年春に中国の大気汚染が深刻となり、大量のPM2.5がわが国にも飛来して問題になりました。PM2.5は直径が2.5㎛以下の小さな粒子です。肺の奥深くまで侵入しやすいため、呼吸器疾患の原因になるだけでなく、肺胞に炎症を起こして循環器疾患のリスクを増大させることも指摘されています。
 日本の環境基準では、大気1㎥中のPM2.5濃度は「1年間の平均値が15㎍以下で、かつ1日の平均値が35㎍以下」と定められていますが、この度の中国での大気汚染を受けて、急きょ70㎍/㎥を「外出自粛基準」としました。すなわち「PM2.5が70をこえたら不要な外出や屋外での活動を控えましょう」との注意喚起を行っています。
 大気汚染が深刻な北京では、時にPM2.5が400を超えて大きな問題になります。日本への影響が懸念され、全国でPM2.5濃度の測定が始まりました。北見市でも平成28年4月から常盤町にて測定が行われています。幸い、これまで基準値を超えたことはありません。
タバコとPM2.5
 わが国では中国から飛来するPM2.5よりも、屋内のPM2.5汚染の方が深刻であること、さらにその原因がタバコである、という事実はあまり知られていません。
 タバコの煙には大量のPM2.5が含まれているため、部屋の中でタバコを吸えばただちに数百㎍/㎥レベルに達し、自動車の中で吸えば軽く1000㎍/㎥を超えます。わが国では自宅の中だけでなく多くの飲食店なども禁煙になっていないため、非常に高濃度のPM2.5汚染が屋内の至る所で喫煙によってもたらされているのが現状です


 子どもがこのように高いPM2.5濃度の環境に置かれることはまれです。しかしとくに家庭内で常時タバコの煙にさらされている場合、多くの影響を受ける危険があります。
 家庭内では完全禁煙を、分煙もダメです。
2017年11月01日(水) No.815 (秋山先生(小児科)のコラム)

海外と日本の医薬分業について


 ドイツの医薬分業の歴史は長く、医師には調剤権はなく薬剤師にのみ調剤権があります。医師は薬局を所有できず、共同経営者にもなれません。病院の薬剤部は院内処方のみに対応し外来患者の処方箋は全て院外に発行さ..
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2017年11月01日(水) No.814 (原口先生(薬剤師)のコラム)

手足口病


 今日も嶋川先生とのぞめさんは、バーザムーンのようです。
【島大、田杉】「嶋川先生、のぞめさんいらっしゃいませ。」
【嶋川、のぞめ】「今晩は。」
【島大】「嶋川先生、今日もすこし教えてほしい事があるのですが、宜しいでしょうか?」
【嶋川】「もちろんいいですよ。今日はどうしましたか?」
【島大】「私の親戚の子供の事なのです。先週、熱を出して、次の日からからだに赤いぶつぶつが出来て、どんどん増えてきたのです。小児科に連れて行くと、手足口病かもしれませんねと言われたようなのです。今年は手足口病が流行っているとも聞いたのですが、どうなのでしょうか?」
【嶋川】「そうですね、今年は例年よりも少し患者さんの数が多いかもしれません。皮膚の症状ですが、通常は掌、足の裏に楕円形の小さな水疱を生じるのが典型的な症状なのですが、四肢、臀部、体にも水疱やブツブツができることもあります。」


【島大】「どうして、症状に違いがあるのでしょうか?」
【嶋川】「もちろん個人差もありますが、それよりも手足口病のウイルスが一種類だけではない事も関係していると思われます。原因ウイルスとしてはコックサッキーウイルスA16というものが有名なのですが、昨年、一昨年にはエンテロウイルス71というウイルスが流行しました。そのためこれらの年では、皮膚症状が治った後に爪が変形する症状が多く見られました。でも最終的には爪ももとに戻るので心配はいりませんよ。」
【島大】「分かりました。ところで手足口病は一度罹ったら、もう二度と罹る事はないのでしょうか?」
【嶋川】「先ほど言ったように、手足口病のウイルスは一種類だけではありません。従って一度罹っても、また別のウイルスによって手足口病を発症する事は起こりえます。その点、水疱瘡などとは違うのです。」
【島大】「なるほど、そうなのですね。治療はどうすれば良いのでしょうか?」
【嶋川】「残念ながら、手足口病のウイルスに有効な薬剤はありません。従って、熱があれば安静と解熱剤、皮膚に痒みがあればかゆみ止めの飲み薬や塗り薬といった対症療法になりますね。」
【島大】「よく分かりました、有難うございます。」
【田杉】「嶋川先生、のぞめさん、今日もいつもので宜しいでしょうか?」
【のぞめ】「はい、お願いします。」
2017年10月01日(日) No.813 (川嶋先生(皮膚科)のコラム)

女性と漢方(157) 〜美味しい漢方薬は効果がある〜


 「良薬は口に苦し」という孔子の名言がありますが、特に漢方薬は苦くて飲みにくいという印象を持っている方は多いと思います。
 以前に子供の「寝冷え」に対する漢方薬で味を本人に飲んでもらってその場でお薬を決める方法を試みている先生(大阪の開業医)のお話を思い出しましたのでご紹介いたします。
 親子で来られて、本人が「漢方薬なんか飲めるわけないやん」というのを『人参湯(ニンジントウ)』をお湯に溶かしてスプーンで味見(テイスティングですね)してもらいました。「あれ?これやったら飲めるわ」という反応で、次に『小建中湯(ショウケンチュウトウ)』を試したところ、「飲めるけど、いまひとつやな」(生意気な小学生ですね)との弁。そこで、先生は本人が飲みやすいという『人参湯』を処方して、寝冷えは数日で解消し、「おなかがあったかい感じがする」との事でした。


 漢方薬の味に関する評判は、よく耳にします。『小建中湯』はうるち米から作った「飴」が含まれていて甘味があるので、比較的飲みやすい薬なのですが、逆に「甘くて飲みにくい」ことがあったり、『黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)』という炎症を抑える場合に使う薬は苦くて有名ですが、症状が強い方は子供でも意外とあっさり飲めたりもします。
 漢方薬には味にも薬効があることはいわれています。例えば、酸味は粘膜などを収縮させたりしますし、苦味は乾燥させたり、下に降ろす作用があります。甘い物は「補う」働きがあるため、普段から摂取する必要や場合により身体の方から要求してくることもあります。苦い物は摂り過ぎると体内の必要なものを体外に排出してしまうので、苦い物をあまり好まないのは自然の摂理にかなっているのでしょうか。ただし、病気になって体内の悪い物を排出させるのに苦味のものが必要になることがあるのです。不思議なことに苦い物が必要なときは意外と苦い物がそれほど苦ではなくなりますし、普段甘い物が好きなのに逆に苦手になるときもあります。そのときの証(身体の状態)により「味証」が変化するものなのでしょう。
となりますと、孔子の「良薬は口に苦くして、病に利あり。」は「良薬は口に美味にして、病に利あり。」が正しいのではないかと思ってしまいますね。
2017年10月01日(日) No.812 (山内先生(産婦人科)のコラム)