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ガングリオン


 ガングリオンとは、手の腫瘍のなかで最も多い良性腫瘍です。「ガングリオンですね」と言うとガンの仲間かと思ってびっくりされる方がいますが、ガンではありません。
 袋の中に透明なゼリー状の物質が詰まった腫瘍で、手首周辺の関節包(関節を含んでいる袋)や手のひらの腱鞘(腱の周りにある浮き上がり防止の鞘)部分から発生します。腱の摩擦や機械的な変化などが発生の原因の可能性はありますが、はっきりとした原因はわかっていません。ゼリー状の物質は、関節液や腱と腱鞘の潤滑油である滑液がガングリオンの袋に送られ、濃縮したものです。関節からできるものは関節包と茎でつながっていることがほとんどです。
 大きさは1〜2冂度で、硬い腫瘤を触れます。若い女性に多く見られますが、必ずしも手をよく使う人にみられるわけではありません。多くは無症状ですが、押すと痛みがでたり、神経を圧迫して痛みやしびれを生じることがあります。


 特に症状がない場合は放置しても問題はありません。自然に消失する場合もあります。大きくなるもの、痛みやしびれが強いもの、見た目が気になるものは治療を行いますが、一番簡単な方法は穿刺です。注射器で中身のゼリーを抜き取ります。この方法は再発することが多いのですが、何回か穿刺を行ううちに治ることもあります。ガングリオンに力を加えて押し潰す方法もあります。それでも再発を繰り返す場合は手術を行いま
す。局所麻酔下に皮膚を切開しガングリオンの茎を含めて摘出します。内視鏡を用いた鏡視下切除術も行われます。しかし手術をしても1〜2割ほどは再発してしまうことがあります。
2020年01月29日(水) No.951 (渡邊先生(整形外科)のコラム)

お酒と心臓病〜 お酒は毒なのか?百薬の長なのか?


 ここ数回は、心臓病のリスクである肥満を解消するためのダイエットについて書いてきましたが、今回は、お酒についてです。
 多くの人がご存じの通り、お酒は肝臓で分解されますので、十数年間、大量の飲酒を続けると、「アルコール性肝硬変」や「肝臓がん」を起こす可能性があります。しかしながら、飲酒の健康被害は肝臓だけに済みません。飲酒は「心臓病」と「認知症」のリスクとなることが多数の研究で報告されております。飲みすぎは私たちの血圧を上げ、不整脈を起こしやすくし、認知症にします。
 しかし、適量の飲酒が体に良いと聞いたことがある人は多いと思います。これが、お酒が百薬の長と言われる理由なのでしょうが、医学的にも、少量の飲酒がむしろ、心臓病と認知症を予防することが報告されております。この話をすると、やっぱりお酒はいくら飲んでも大丈夫と思う人がいますので、誤解しないようにして頂きたいのですが、グラフにもある通り、お酒が健康効果を示すのは、少量の場合のみで、あとは飲めば飲むほど、病気になりやすくなることは間違いありません。ちなみにこの少量というのは、個人差があるのですが、厚生労働省の推奨量は1日のアルコール摂取量20gです。これはビール500㎖、日本酒1合、ワイン2杯半となります。ちなみに、ワインは抗酸化作用などが歌われており、体に良いと言われていますが、これには否定的な見解も多く出ております。つまり、コレステロールを下げ、動脈硬化を予防する効果は、少量であれば、他の種類のお酒でも期待できるということです。


 しかしながら、お酒は少量なら体に良いという事実に一石を投じる研究やデータもあります。例えば、毎日飲酒している人の脳をMRI検査すると、先ほどのような良い結果は得られません。少量でもお酒を飲めば飲むほど脳の萎縮が進むという結果でした。また、全くお酒を飲まないモルモン教徒は、心臓病で死ぬ人が平均よりかなり低いというデータもあり、お酒が好きでないならば、飲酒は控えたほうが体に良いのは間違いありません。また、女性は男性よりも体が小さく、アルコール分解酵素も少ないため、同じ飲酒量では悪く働きやすいため、男性より注意が必要です。
2020年01月29日(水) No.950 (仲澤先生(心臓血管外科)のコラム)

女性と漢方(185) 〜補血剤とは〜


 今回は前回の「補腎剤」に続いて「補血剤」についてお話します。「血(ケツ)」とは「血液」という概念ではなく、東洋医学では血および血によりもたらされる栄養分のことを指します。「血」によって運ばれるべき栄..
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2020年01月29日(水) No.949 (山内先生(産婦人科)のコラム)

子どもの気になる病気 その百日咳(2)


 最近、北見市内でも百日咳に罹患する人が目立っています。北見保健所管内の百日咳発生件数を図に示しました。2018年はわずか3例のみでしたが、2019年は27例が報告されています。当院でも7、12、12、15歳の4例を経験しました。
 いずれも咳が1〜2か月続いていましたが、小児の百日咳特有の咳(連続性の咳発作や吸気時の笛声)は認めていません。LAMP法陽性1例、百日咳IgM抗体高値3例で百日咳と診断、マクロライド系抗生剤で改善しています。4例とも乳幼児期に百日咳含有ワクチンは接種されていました。


●百日咳の診断(診断が容易に!)
 これまで急性期と回復期のペア血清の抗体価の上昇で診断していました。最近は次に示す、より簡便で早く診断可能、精度の高い検査が開発され、2016年から保険適用となっています。
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 百日咳菌LAMP法は、鼻腔ぬぐい液を検体としてDNAを増幅させる方法で、感度、特異性の高い検査法で早期診断に有用です。本法を用いた百日咳菌検出試薬キットが開発されており、検査会社へ受託、数日で結果が出ます。発病して4週間以内であれば、百日咳菌に有効な抗菌薬を服用していない限り、LAMP法はほぼ陽性となります。しかし発病して4週間を超えると気道の菌量が減るためLAMP法では検出できないことが多くなります。
百日咳IgMおよびIgA検査
 ワクチン接種の影響を受けないので、単血清すなわち1回の採血で診断が可能となります。
 百日咳IgA抗体は病日約21日、IgM抗体は病日約15日をピークに発現し、IgA抗体はIgM抗体よりも持続して検出されるとされています。
 小児は発病後4週間以内に受診することが多く、成人は発病後4週間を越えてから受診することが多いことから、小児では主にLAMP法、成人では百日咳抗体検査を行い、より正確に診断するためにはこれらを併用することが望ましいとされています。
2020年01月29日(水) No.948 (秋山先生(小児科)のコラム)

不眠症と薬物治療7


 週に3日以上日中に機能障害の不調がみられ、3カ月以上続いている場合には慢性不眠症と診断されます。いったんこのような期間にわたって不眠と日中の不調が持続すると、その後に自然寛解することが少ないため、し..
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2020年01月29日(水) No.947 (原口先生(薬剤師)のコラム)