タイトル

脂肪腫


 脂肪腫とは、皮下にできる腫瘍のなかではいちばん多い良性の腫瘍です。
 脂肪細胞が増殖する腫瘍で、皮下脂肪組織の中、筋肉の中、筋肉の下など、からだ中いろいろな場所にでき、背中、肩、首などに多い傾向があります。幼少期に発生すると考えられていますが、成長がゆっくりなため発見は遅く、20歳以下にはまれで、40歳代から多くみられます。女性、肥満者に多いと言われています。はっきりした原因はわかっていません。
 大きさは、数ミリ程度の小さなものから10センチ以上に及ぶものまで様々です。皮膚がドーム状に盛り上がり、やわらかいしこりとして触れます。直上の皮膚に異常は見られません。通常は痛み・しびれなどの症状はありませんが、できる場所によっては組織が圧迫されることによる痛みや圧迫感を伴うことがあります。


 臨床症状と画像検査から診断します。画像検査では超音波、CT、MRIなどがあります。
 脂肪腫は成長はゆっくりでも徐々に大きくなり、自然になくなることはありません。特に問題を起こしていない脂肪腫であれば積極的に治療を行わず様子をみることもあります。しかし、見た目が気になるもの、大きなものや、短期間に大きくなるものは手術を行います。
 手術では皮膚を切開し、腫瘍を摘出します。腫瘍は薄い膜に包まれて周りの組織に癒着しているので、絞り出したり、注射器などで中
身を抜き取るといったことはできません。皮膚を切開し、かたまりごと摘出します。
 小さなものであれば局所麻酔で行いますが、大きなものや場所によっては全身麻酔が必要になることもあります。
 稀ですが、脂肪腫のように見てえても脂肪肉腫のような悪性腫瘍が混じっていることもあります。臨床検査、画像検査でも良性の脂肪腫との鑑別が難しい場合があり、正確に診断するためには摘出して病理組織の検査を行う必要があります。
2019年11月27日(水) No.936 (渡邊先生(整形外科)のコラム)

肥満と心臓病3 〜魚と野菜と豆を食べよう


 今回も前回に引き続き、万病のもと「肥満」と「減量」についてお伝えしたいと思います。前回の記事では、最近のダイエットの主流は糖質制限であり、そのために「主食」である「ごはん」「パン」「麺」などを減らすことをお勧めしました。私がこのような話を肥満で悩んでいる患者さんに話すと、必ず「では、何を食べればよいのですか?」という質問を受けます。先日、本屋さんで見つけた糖質制限ダイエットの本によれば、主食を食べない代わりに、肉食をすすめていました。つまり「ごはん」や「パン」の代わりに、「ステーキ」や「焼肉」を食べるというものですが、これは病気の予防という観点からは間違っています。なぜならば、複数の研究から、牛肉や豚肉の取りすぎが、発ガン率を上げることが分かっているからです。同様にベーコンやハムなどの加工肉も発ガンリスクを上げることが報告されております。ちなみに、白米、つまり主食の「ごはん」も糖尿病のリスクを上げる食べ物だと報告されています。


 では、本題の何を食べればよいのかということですが、「魚」「野菜と果物」「玄米・全粒粉などの茶色い穀類」「オリーブオイル」「ナッツなどの豆類」などが病気のリスクを下げることが分かっています。複数の研究で「魚」「オリーブオイル」「ナッツ」を毎日食べる人は、全く食べない人に比べて、脳卒中・心筋梗塞による死亡率が約30%低くなることが報告されています。これらの食材の内、果物と玄米などは糖質を多く含む食品となるため、ダイエットを目指すならば、食事に豆(豆腐や納豆、枝豆など)や魚、野菜を多く取り入れ、調理にはオリーブオイルを使用し、主食が欲しいなら、玄米か全粒粉のパンを選ぶと良いということになります。玄米が健康的で太りにくい理由は、皮としてついている糠(ぬか)のせいで、糖質が体に吸収されづらく、血糖値が上がりにくいからだとされています。このような食事と栄養の科学的根拠をもっと知りたい方は、是非「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事…津川友介著」を読んでみてください。
2019年11月27日(水) No.935 (仲澤先生(心臓血管外科)のコラム)

女性と漢方(183)〜補気剤とは〜


 気力が衰えた状態(漢方では「気虚」といいます)に対応する処方のグループを「補気剤」と呼びます。漢方医学では、気の取り込みは消化器官で行われると考え、消化吸収機能の低下を改善する『四君子湯(シクンシト..
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2019年11月27日(水) No.934 (山内先生(産婦人科)のコラム)

子どもの気になる病気 そのЯ加する梅毒と先天梅毒


 梅毒は昔の病気と思われがちですが、近年再び増加しています。2017年の梅毒の感染者が44年ぶりに5千人を越えました(図)。中でも20歳代を中心とした女性の感染者が増加し、それに伴い胎児が感染する先天梅毒..
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2019年11月27日(水) No.933 (秋山先生(小児科)のコラム)

不眠症と薬物治療5


 先進国の不眠症の有病率については、ほぼ同じ調査の結果が出ていて、軽症も含めると成人の約10%、治療が必要な中等度以上でも7〜8%と高率です。
 では、治療の状況はどうでしょうか。日本の場合、医療機関で睡眠薬を処方されている患者さんは成人の5%程度います。この中には、原発性不眠症のほか、精神疾患や身体疾患、もしくは治療薬の副作用などによる二次性不眠症の患者さんも含まれます。
 不眠症と診断された患者さんに睡眠薬を処方するのは何ら問題ありません。ただ、睡眠薬による治療が必要な不眠患者さんと実際に処方されている患者さんとの間には、ミスマッチがあるとも考えられています。


 具体的には、あまり心配のいらない不眠症状に対して睡眠薬が処方される患者さんがいる一方で、治療が必要なのに睡眠薬を服用するのが怖くて寝酒や市販の睡眠薬、効果がはっきりしない快眠サプリなどで対処している人も少なくないということです。
 最初に不眠症の有病率は軽症も含めて10%と紹介しましたが、実は「不眠症状」は成人の30%にみられます。60歳以上に絞ればその頻度は半数以上にも上ります。言い換えれば、不眠症状があっても不眠症に該当しない人が過半数となります。そして、不眠症に該当しないのに睡眠薬が処方されているケースが少なくないとも言われています。
 不眠症状があっても不眠症ではない。これは一体どういうことでしょうか?それについては次回お話します。
2019年11月27日(水) No.932 (原口先生(薬剤師)のコラム)