タイトル

巻き爪〜原因編〜


 巻き爪とは、字の如く爪が巻いている状態で、多くは足の親指に起こります。程度は様々ですが、かなり弯曲が強くても痛みがない方もいれば、弯曲が軽度でも痛みが強い方もいます。痛みがあると歩き方や姿勢が悪くなるため膝や腰の痛みの原因となり、高齢者の場合、転倒につながる可能性もあります。
 巻き爪になる主な原因は、「爪の切り方」と「爪への力のかかり方」です。
 爪を切るときに深爪になってしまうと、指に力がかかったときに爪の周りの皮膚が力を受けて盛り上がってきます。その結果爪はまっすぐ伸びることができず、両端が巻いてきたり厚みが増してきます。


 爪の両端を切り残してしまい棘のようになった爪が皮膚に突き刺さり、痛みや炎症を起こした経験がある方は多いと思います。その痛みをなんとかしようとして深爪を繰り返すとさらに周りの皮膚が盛り上がり、悪循環に陥ってしまいます。
 また、足の形に合わない靴を履いている場合や、膝・腰などの痛みや扁平足・外反母趾などの変形があり歩行時に局所的に過剰な力がかかる場合に爪が巻いてきます。
 反対に、爪に力がかからない状態でも爪は巻いていきます。本来爪は丸まっていく性質がありますが、通常は歩行時に地面からの力
が適切に加わることで爪は平らになっていきます。力が加わらない状態が続くと爪はどんどん巻いてきてしまうのです。寝たきりの人や、足の指に力をいれずにペタペタと歩く癖がある人(浮き足)にみられます。つまり爪にバランスよく適切な荷重がかかることが大切なのです。
 このように、爪の変形は爪自体の問題ではなく、これらの外的要因によって引き起こされていることが多く、これらを改善し予防することが治療の第一歩です。
 次回は爪の切り方についてお話しします。
2019年05月29日(水) No.906 (渡邊先生(整形外科)のコラム)

北見初の不整脈治療


 今回は、当院循環器内科で最近始まりました、最新の不整脈治療「カテーテルアブレーション」をご紹介したいと思います。不整脈には様々な種類がありますが、中でも頻度が多いのが「心房細動」です。現在、日本には80万人の患者さんがいると推定されます心房細動ですが、心臓のなかの心房という部分が不規則なリズムで拍動することで発症します。患者さんの症状としては「動悸」や「胸の苦しさ」が多いのですが、持続的に心房細動を起こしている患者さんですと無症状のことも多くあります。また、心房細動が長期間持続すると、心臓に悪影響を与え、心不全を起こしたり、心臓の中に血の塊(血栓)ができ、脳梗塞を起こしたりします。脳梗塞の予防のためには、血液をサラサラにする薬を飲んでもらう必要があるのですが、出血などの副作用の問題を考えなければなりません。


 従来の心房細動の治療は、不整脈の薬を使用するのですが、その有効率は低く、再発も多いのが問題点でした。しかし、カテーテルアブレーションの場合は、複数回の治療で60〜80%の心房細動が治ります。また、この有効率は心房細動を発症してから日が浅い患者さんほど高くなりやすく、一時的に心房細動を起こしただけの患者さんは特に治りやすいとされております。
 カテーテルアブレーションは2〜3个梁世気離テーテルを血管の中に挿入して行う治療です。治療は全身麻酔で行いますので痛みの心配はなく、入院期間も最短で3日間となります。
元気であれば、80歳を超える患者さんでも、負担を感じることなく治療を受けることができます。カテーテルアブレーションで心房細動を改善させることができれば、将来的には血液サラサラのお薬をやめることもできますし、心臓の機能が長持ちすることも期待できます。心房細動や他の不整脈でお悩みの患者さんは、当院循環器内科医師へご相談ください。
2019年05月29日(水) No.905 (仲澤先生(心臓血管外科)のコラム)

女性と漢方(177)〜蕁麻疹(じんましん)と漢方薬〜


 蕁麻疹は、ありふれた疾患でありながらその病態には未知の部分も多く、症状の現れ方や治療の内容にも大きな違いがあります。一般には皮膚マスト細胞から放出されるヒスタミンなどの活性物質が組織に作用して知覚神..
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2019年05月29日(水) No.904 (山内先生(産婦人科)のコラム)

子どもの気になる病気 その PFAPA症候群


 4歳の男児、前日から40℃の高熱で受診。扁桃腺炎の所見で唇の内側に口内炎あり。溶連菌の迅速診断は陰性。抗生剤使用せずに4日で解熱。通常のウイルス性扁桃炎と思われました。その1か月後、同様の発熱、扁桃炎の所見あるも口内炎なし/頸部リンパ節の腫脹あり。溶連菌検査陰性で、抗生剤使用し3日間で改善。その後しばらく受診しなかったのですが、半年くらいしてまた高熱で受診しました。同じような扁桃炎で熱以外の他の症状はありません。お話を聞くと、この間にも何度も同じような症状があり、別のクリニックを受診されて抗生剤の治療を受けていたそうです。お薬手帳を見てその間隔を確認すると、ほぼ1か月半くらいの間隔になっています。この周期的な発熱と扁桃炎の原因は、何なのでしょう?これがPFAPA症候群です。
 PFAPAというのは、periodic fever(周期的発熱)、aphthous stomatitis(アフタ口内炎)、pharyngitis(咽頭炎)、cervical adenitis(頸部リンパ節炎)の略です。
 多くは5歳以下の乳幼児に発症します。日本の平均発症年齢は3.2歳、成人発症はまれとされています。日本での発生率は?原因は明確ではありませんが、サイトカイン調節障害によって特徴づけられる免疫性疾患と考えられています。家族集積性もあり、遺伝的な関与も指摘されています。


【診断】診断基準を表に示します。39〜40℃以上の発熱が突然出て、平均5日間(3〜6日)続きます。発熱の間隔は平均24日(3〜8週)で月経周期のような規則性がみられます。アフタ口内炎、頸部リンパ節炎は50〜70%、咽頭、扁桃炎は半数以上にみられ反復性扁桃炎の診断を受けている例が多く見られます。検査所見に特徴的なものはありません。
【治療】抗生剤は無効。ステロイドが著効しますが、シメチジン(H2ブロッカー)も有効。
【予後】多くの症例で、時間の経過とともに発熱間隔が広がり、症状も軽くなり、後遺症を残すことなく4〜8年で自然治癒します。その後も正常な成長、発達を示します。咽頭炎や扁桃炎を繰り返すことは子どもにはよくある事なので見過ごしがちですが、時計仕掛けのような周期的な発熱を見た場合、このような不思議な疾患があることを頭の片隅に置いておくことも必要です。
2019年05月29日(水) No.903 (秋山先生(小児科)のコラム)

“後発品は副作用が出るから嫌”という方の本音(前編)


 患者さんの中には、いまだに「ジェネリック(後発医薬品)は嫌だ」という方がわずかにいらっしゃいます。 今回は「ジェネリックが嫌」という言葉の裏にある心理について考えたいと思います。
 そもそもジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、新薬(先発医薬品)の再審査期間、物質(成分)特許期間満了後、新薬と効き目が同等であることを証明する様々な試験を実施し、 厚生労働省の認可を得て製造販売される、新薬と同じ有効成分を含む医薬品で、規定の試験により厚生労働省の認可を得て、その効果の同等性が認められているものを言います。
 ジェネリックの中の一部に「AG」という商品がありまして先発品と同一の原薬・添加物・製造方法によって作られているもので、中には同じメーカー同じ工場で印刷する文字だけ違う物もあります。これは先発から切り替えで副作用が生じる可能性はほぼあり得ません。
 先発品希望の方でもAGの説明を聞くと、「それならいいよ」と変更を承諾する人が多く「むしろそっちの方が値段も安いし、なおさらいいじゃん!」と言って下さる方が大変多くなってきました。


 逆に「(AGなので)まったく同じです」と言っても受け入れてもらえず、話をしようとした段階で会話をシャットアウト。取り付く島もない様子の患者さんの1人に理由を尋ねてみたところ「副作用が出たことがあるから」という答えが返ってきます。
 先発と同じ物なので「AGへの変更で副作用は出ません!」と言いたいのをぐっとこらえて詳細を伺いましたが、「ジェネリックのせい」の一点張りで、どんな副作用だったのか、変更した薬は何だったのか最後まで語られることはなく、憮然とした表情で会計を済ませて帰っていく方もわずかですがいらっしゃったという話を聞いたこともあります。
2019年05月29日(水) No.902 (原口先生(薬剤師)のコラム)