タイトル

やけど(後編)


 熱傷は深さによって分類されます。浅い熱傷では皮膚に赤みが出る程度で、炎症を抑える軟膏でほとんど後遺症を残さずに治ります。深くなると水ぶくれができ、強い痛みを伴います。さらに深くなると皮膚に血の気がなくなり白くなったり、炎で受傷した場合には炭のように黒くなったりします。ここまで深くなると神経まで損傷されるので痛みはありません。深い熱傷になるほど治るのに時間がかかり、後遺症を残したり、場合によって手術が必要になることもあります。
 熱傷を受傷したらすぐに冷やすことが大切です。冷やすことで熱傷が深くなるのを防ぎ、痛みを和らげることができます。水道水で5〜30分を目安に冷やしましょう。ただし、広範囲の場合、長時間冷やすと小児や高齢者では低体温になることがあるので注意が必要です。熱傷の部位は徐々に腫れてきますので、指輪などのアクセサリーをつけている場合には早めに外しましょう。


 浅い熱傷の場合は軟膏などで治療をします。湿潤環境(皮膚の細胞が治癒しやすい環境)を保つように軟膏や被覆材を選択します。
 水ぶくれが出来てしまった場合、必ずしも潰したりはがしたりする必要はありません。中の液体には傷を早く治す成分が含まれ、また浮き上がった皮にも創部を保護して痛みをとり、傷を早く治す
作用があります。ただし、大きい場合やパンパンに膨らんで組織を圧迫しているような場合は中の水を抜いたり、皮がめくれ上がったり細菌感染の原因になりそうな場合は除去する必要があります。水ぶくれを伴うような熱傷では病院の受診をお勧めします。
 さらに深い熱傷で皮膚が死んでしまった場合は、死んだ組織をそのままにしておくと治りが悪く、また細菌感染の原因になるので、基本的に除去します。範囲が大きければ新しい皮膚ができるまでに時間がかかり後遺症をのこす可能性があります。この場合は、植皮術といって皮膚を別のところから持ってきて移植する手術を行うことがあります。
 また、熱傷のあとがいつまでもジュクジュクと治らない場合は、有棘細胞癌などの皮膚癌に進展している可能性があるので注意が必要です。
2019年04月24日(水) No.901 (渡邊先生(整形外科)のコラム)

低侵襲手術始めました


 今回は、最近注目されている「低侵襲手術」についてお伝えしたいと思います。「低侵襲手術」とは、従来の手術を「小さな傷」で行う手術で、以前は大きく切らなければ行えなかった手術が、大きく切らずに行えるようになってきております。このコラムでも取り上げてきました、「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術」や「動脈瘤に対するステントグラフト治療」もこの低侵襲手術の一種となります。今回お伝えするのは、心臓弁膜症の低侵襲手術で、従来は絵にあるように、胸の真ん中を30冂切り、胸の骨も切らなければならなかったのですが、低侵襲手術の方法ですと、右胸の一部を7〜10僂曚廟擇蝓骨も切らずに心臓弁膜症の手術が行えるのです。しかしながら、心臓弁膜症の低侵襲手術では、「手術中に心臓を止める」、「手術中に人工の心臓と肺に体を接続する」、「傷から手術する心臓までの距離が長い」などの克服すべきポイントがいくつかあり、高度な技術や器具が要求されます。このような低侵襲手術は、お腹や肺の手術ではかなり普及しており、「腹腔鏡手術」や「胸腔鏡手術」と言われていますが、現在のように普及するにはかなりの時間がかかりました。


心臓弁膜症の低侵襲手術は、現在注目されている手術法ですが、普及し始めている段階で、まだ一般化されているとは言えません。当院でも本年から取り組み始めており、エキスパートの助言を得ながら徐々に適応を拡大しております。低侵襲手術は傷が小さく、回復も早いと言われており、良い手術法であることは間違いないのですが、病状によっては行えない場合があり、手術を受ける際に専門家との相談が必要となります。
2019年04月24日(水) No.900 (仲澤先生(心臓血管外科)のコラム)

女性と漢方(176)〜不眠と漢方薬〜


「睡眠薬を止めたいので、漢方薬を服用したい」と来院する患者さんは多いです。結論から申しますと、なかなか難しいです。その理由は漢方薬の睡眠作用は西洋薬よりも弱いからです。睡眠は自然な生理活動であり、東洋..
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2019年04月24日(水) No.899 (山内先生(産婦人科)のコラム)

食物アレルギーを予防するために その


・卵(ピーナツ)の離乳食の早期開始
 近年、ピーナツあるいは卵について、むしろ早く食べさせた方が食物アレルギーは減るのではないかという仮説のもとに試験が行なわれ、最近、決着がつきました。
 ピーナツアレルギーを予防するためにピーナツを乳児期から食べさせた子どもと、5歳までピーナツを除去した子どもについて比較した結果、乳児期からピーナツを食べていた子どもの方が、5歳までピーナツを除去した子どもよりもピーナツアレルギーは少ないことが実証されました。(図左)



また、卵アレルギーについても同様で、生後6か月から卵を少量食べた子どもたちと、生後1歳まで除去した子どもたちで検討したところ、生後6か月から卵を食べ始めた子どもの方が、生後1歳時の卵アレルギー発症率が約8割少ないことが分かりました。(図右)

【以上の知見から、食物アレルギーを予防するための2つのポイント】
“乕罎留蠑鼻米児湿疹)を保湿剤の塗布などでできる限り防ぐこと。
 アトピー性皮膚炎発症後は、できるだけ早く治療して経皮感作を防ぐこと。
⇔テ食が始まるのは一般的には生後6か月ですが、その時期になったらなるべく早く、かつ少量ずつ卵などを与えるようにする。これにより経口免疫寛容を誘導させることで、食物アレルギーを予防できる可能性が高くなります。食べ始めは、慎重に少量から開始する必要はありますが、従来のように「念のため摂取開始を遅らせる」のは決して予防にはならないことがはっきりしています。
2019年04月24日(水) No.898 (秋山先生(小児科)のコラム)

犬の薬について


 僕ら薬剤師は獣医さんの指示により動物の薬を調合することもあり、薬によっては動物専門のものがなく人間と同じ薬を使う事もあります。先日、患者さんから犬の点眼液について問い合わせがあり、今回はそのことにつ..
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2019年04月24日(水) No.897 (原口先生(薬剤師)のコラム)