タイトル

傷あとのケア


 切り傷、すり傷、火傷、手術などの傷あとは、誰しも1つ2つ体に残っているものです。
 できるだけ目立たない綺麗な傷あとにするためには、傷が治ったあとのケアが重要です。手術の傷を例にすると、実は手術・抜糸までが半分、その後のケアが半分です。
 手術では、医師が綺麗な傷になるように色々な工夫をこらして縫合します。1週間程度で傷はふさがり抜糸をしますが、その後も傷あとの変化は続きます。最初の数ヶ月は、傷あとの中の細胞の活動が活発になるため、だんだん赤くなります。そのあとは半年から一年ほどで徐々に活動は沈静化し、傷あとは白くなってきます。


 傷あとの活動が活発な時期に擦れたり引っ張られたり、紫外線に当たったり、乾燥などの刺激が加わると、細胞が過剰に反応してしまい傷あとが太くなったり、赤く盛り上がったり、色素沈着が発生してしまいます。傷あとの反応は傷の大きさ、形、深さや場所によっても変わってきます。肩、胸まわりや関節周囲など、よく動く場所は長引く傾向があります。また体質によっては反応がなかなか収まらず、肥厚性瘢痕・ケロイドという状態になることもあります。
 そこで、こうした刺激を避けるためにテープを貼っておくことをお勧めしています。傷は力がかかることによって悪化します。テープは傷あとが擦れたり引っ張られ
ることを防いだり、紫外線から守ったり、保湿をするという役割があります。
 どんなに綺麗な手術あとも放っておくと汚い傷あとになってしまいます。切り傷、擦り傷や火傷のあとなども基本的には一緒で、綺麗な傷にするために必要なことは創部を固定、安静にし、乾燥や擦過などの刺激から守ることです。術後にテープで固定、保護することは最終的な仕上がりにとって必須の作業です。
 ちなみに、傷の治りやすさには人種差があり、白色人種に比べて黄色人種、黒色人種の人は傷の治りが相対的に遅く、傷あとも綺麗になりにくいと言われています。
次回は肥厚性瘢痕、ケロイドについてお話しします。
2019年01月30日(水) No.885 (渡邊先生(整形外科)のコラム)

心臓の「叫び」に気づいてあげてください〜胸の痛み・息切れ・動悸


 昨年、ACジャパンのTV広告で「心臓の叫びに気づいてあげましょう」というものが放映されました。これは、「心臓弁膜症」をより良く知ってもらうために制作されたものでした。このCMの内容は「弁膜症・CM」で検索すると見ることができます。
 「心臓弁膜症」は、心臓病の中でも重い病気の一つで、心臓の中にある、血液の流れを調節するための「弁」が悪くなることで発症する病気です。心臓の中には「4つの弁」が存在し、それぞれが大切な役割を果たしていますが、これらの弁が硬くなり、開きが悪くなる病気を「狭窄症」と呼び、弁の締りが悪くなり、血液が逆流する病気を「閉鎖不全症」と呼びます。弁膜症の症状は様々ですが、特に「胸の痛み」「息切れ」「動悸」の3つの症状が重要です。これらの症状は弁の調子が悪くなり、心臓に負担がかかることで起こる症状ですが、長い時間をかけて徐々に出現してくるため、原因が心臓の病気であることに気が付きにくいと言われています。弁膜症の原因は様々ですが、最近は、高齢化を反映して「加齢による弁膜症」が増えています。弁膜症をわずらっている人は、60歳ごろで3%、70歳ごろで10%と言われています。もし、さきほどのような胸の症状が気になる場合は、病院で検査を受けてみてはいかがでしょうか。弁膜症の検査には体に負担のかからない「心臓エコー検査」がお勧めです。


また、もし弁膜症をわずらってしまっても手術で治すことが可能です。弁膜症の手術は胸を切って、心臓を一時的に止めて行う手術ですので、決して簡単ではありませんが、当院でも数多くの弁膜症手術が行われており、多くの患者さんが元気になられております。弁膜症は不治の病ではありません。ご心配な方は、オホーツク圏の循環器・呼吸器疾患の専門医療を担う当院へご相談ください。
2019年01月30日(水) No.884 (仲澤先生(心臓血管外科)のコラム)

新薬


 今日も嶋川先生とのぞめさんは、バーザムーンのようです。
【嶋川、のぞめ】「今晩は。」
【田杉】「嶋川先生、のぞめさんいらっしゃいませ。」
【島大】「嶋川先生、今晩は。今日も少し教えて欲しい事が..
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2019年01月30日(水) No.883 (川嶋先生(皮膚科)のコラム)

女性と漢方(173)〜過換気症候群と漢方薬〜


 心理的要因が関与して過換気発作を生じ、それに伴って様々な身体・精神症状を呈する症候群を「過換気症候群」といいます。精神疾患に合併することも多く、特にパニック障害との合併は多いといわれています。このような症状は高校生以上の年齢に多く発症し、女性に多く、10歳代後半から20歳代に最も多くみられます。最近では、小学生にも発症することもあるといわれています。
 呼吸困難感は、空気がうまく吸い込めない感じとして表現されることも少なくありません。過換気が始まると、それに引き続いて動悸・胸痛・胸苦しさなどが出現する場合や、あるいはめまい感・頭痛・非現実感(自分が体験していることが現実とは思えない感覚)が出現して、時には意識障害を起こす場合もあります。


 治療は過換気を引き起こす可能性がある呼吸器や循環器あるいは中枢神経系や内分泌系の疾患がないことを確認することが基本です。以前は紙袋に鼻と口をかぶせて呼吸させるペーパーバック法が行われていましたが、低酸素血症により致死的になり得る症例があることから、現在はこの治療法は推奨されていません。現在では、心理的に安定させるように病状を説明し、ゆっくりとした呼吸を促すことが優先され、改善しない場合は精神安定剤の内服か注射が行われます。発作のない時期には、心理カウンセリングや抗不安薬が処方されることがありますが、薬物依存症に対する注意も必要です。
 漢方治療では、「過換気症候群」が心理的要因、特に精神的なストレスが関与していることから、精神安定作用をもつ漢方薬を用います。『抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)』がまず処方することが多いのですが、不安や落着きがない場合は『甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)』もよい適応です。特に小・中学生にはお勧めです。また、精神疾患が目立つ場合には『柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)』『柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリョウコツボレイトウ)』なども使います。特に気分の落ち込みが辛い場合にはこれらに『香蘇散(コウソサン)』という気を持ち上げる漢方薬を併用したりもします。
2019年01月30日(水) No.882 (山内先生(産婦人科)のコラム)

病児保育 その


 秋山こどもクリニックは、4月から医療併設型の病児保育を始める予定です。私達がこれから行おうとしている病児保育について2回にわたって紹介します。 まず、病児保育室がどのようなところか、不安に思われるお..
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2019年01月30日(水) No.881 (秋山先生(小児科)のコラム)

インフルエンザと異常行動 (後編)


 発熱に伴う異常言動や可逆性膨大部病変を伴う軽症脳炎・脳症(MERS)の家系例を対象に遺伝子解析を行った結果、MYRF遺伝子に同一の変異があることが突き止められインフルエンザなどの発熱に伴う異常言動に、遺伝子が関与している可能性が愛知医大の奥村彰久教授の研究グループにより少しずつ明らかになってきましたが、詳しくは分かっていません。 奥村教授いわく、異常行動は薬剤が原因と疑われ社会的に注目されていますが、薬剤を使っていない症例でも確認されており、他に原因があるだろうと指摘されてきました。発熱に伴う異常言動や可逆性膨大部病変を伴う軽症脳炎・脳症(MERS)を繰り返す家系に遭遇したことから、遺伝子的な背景があると考え研究しました。  きっかけは患児を診察し、家族歴を伺ったところ、母親や母親の同胞、さらには祖母と祖母の同胞にも、発熱に伴って異常言動を経験した症例が認められました。


 そこで、この家系に遺伝子解析を行ったところ、MYRF遺伝子で全ての症例に同一のミスセンス変異を認めたのです。このことから、発熱に伴う異常言動やMERSの原因遺伝子であるのではないかと考えたとの事でした。これまでのところMYRF遺伝子の機能は十分に解明されていません。おそらく通常の状態では、遺伝子変異があっても髄鞘は何とか維持されているが、発熱などの負荷がかかった時には耐えきれなくなって異常が出現するのではないかと推定されている様で、今回の研究は、米国神経学会誌にも掲載されました。
 しかし、解禁されたと言っても、異常行動が発現しなくなるという訳ではないので、これまで通り抗インフルエンザ薬の服用者だけでなく、服薬していない患者でも異常行動に注意していくことが重要です。
2019年01月30日(水) No.880 (原口先生(薬剤師)のコラム)