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下肢静脈瘤って放っておいたらどうなるの?


 前回に引き続き、下肢静脈瘤のお話です。前回は軽症でも下肢静脈瘤を見つけたら、市販の着圧ストッキングで、静脈瘤が悪くなるのを防ぐことをお勧めしました。現在、多くの着圧ストッキングが販売されていますが、足首の圧が15hPa以上であることが予防に効果がある目安と考えられています。
 今回は、「下肢静脈瘤をそのまま放っておいたらどうなるか」についてです。最も大事なことは、放っておいても命に別状はないということです。ですが、放っておくと、確実に足の見た目は悪くなっていきます。ボコボコの血管が太ももからひざ下に目立つようになり、もっと放っておくと、写真のように色素沈着を起こして、最後には皮膚潰瘍を起こします。


中には、静脈瘤内に血の塊が詰まり、静脈炎を起こしてしまう人もいます。また、代表的な症状である足のむくみ、重だるさ、鈍痛などを自覚するようになり、足のこむら返りを頻回に経験する人もいます。このように下肢静脈瘤は年齢とともに悪くなる病気で、妊娠・出産を契機に悪くなりやすいため、30代から50代の女性は注意が必要です。こんな下肢静脈瘤ですが、現在は比較的簡単に治療できるようになってきました。病状にもよるのですが、写真のようなラジオ波を利用した機械を用いると、皮膚を大きく切らずに血管の内側から静脈瘤を治療することができ、入院期間を短く、かつ少ない痛みで治療できるようになりました。北見市内では当院と小林病院でのみ、この治療法を受けることができます。また、比較的軽症の静脈瘤は、注射による硬化療法でも治療することもできます。硬化療法は入院が必要なく、外来で行える点がメリットですが、静脈瘤の再発が多いという問題点があり、前述のラジオ波血管内焼灼術と併用して行う場合が多いです。下肢静脈瘤は、長くても3日で治療できる病気です。しかし、写真のような重症例になると数週間の入院治療の必要があることから、お早目の受診をお勧めしております。
2018年09月26日(水) No.861 (仲澤先生(心臓血管外科)のコラム)

爪水虫


 今日は嶋川先生とのぞめさんは、ドーバさんに来ているようです。
【田部】「嶋川先生、のぞめさん、いらっしゃいませ。」
【嶋川、のぞめ】「田部さん、今晩は。」
【田部】「嶋川先生、丁度良かったです..
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2018年09月26日(水) No.860 (川嶋先生(皮膚科)のコラム)

女性と漢方(169)〜漢方薬解説シリーズ「排膿散及湯」〜


 今回は『排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)』という漢方薬についてお話します。この漢方薬は『桂枝湯(ケイシトウ)』の「桂枝」を「桔梗(キキョウ)」「枳実(キジツ)」に代えたような内容で発散力が強められ、さらに「芍薬(シャクヤク)」が加わって膿を強力に排出する構成になっています。なお、「桔梗(キキョウ)」「甘草(カンゾウ)」にはこの二剤で『桔梗湯(キキョウトウ)』という咽頭が腫れて痛むときによく用いる漢方薬の構成になっており、炎症を抑える作用も有しています。


 私自身は個人的にはとても好きな漢方薬の一つで、とくに皮膚疾患に用いていますが、『葛根湯(カッコントウ)』との併用で「乳腺炎」に使用したり、口腔内・鼻腔内の化膿性疾患にも使用します。副鼻腔炎では『葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)』が有効でない場合に用いて有効であったケースもあります。婦人科的には「外陰炎」(とくにバルトリン腺膿瘍)で患部は腫れて化膿している場合は抗生剤単独よりも治りが早い印象でよく使用します。
 先日の漢方研究会では、がん治療後の後遺症であるリンパ浮腫患者の蜂窩織炎(ホウカシキエン)や、骨盤腔内の膿瘍にも抗生剤単独よりも有効であるとの報告がありました。
『排膿散及湯』は単独でも十分有効なことが少なくないのですが、とくに発赤が強い場合には『黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)』を併せて使用したりもします。また、腫れが強いときには『猪苓湯(チョレイトウ)』を併用してうまくいくことが多いようです。
 また、化膿性疾患の再発防止効果もあるので、しょっちゅう外陰炎を繰り返す方には、治癒してもしばらく飲み続けてもらうと、再発しにくくなったり、再発しても軽症ですんだりします。
 現代医学では、抗生剤という良いお薬がありますが、抗生剤の乱用、耐性化が問題になている最中、漢方医学的に『排膿散及湯』の役割は有用かと思われます。
2018年09月26日(水) No.859 (山内先生(産婦人科)のコラム)

乳児用液体ミルク(その 


 今、話題の「乳児用液体ミルク」を知っていますか?
 液体ミルクとは、ボトルや紙パックに液体状でミルクが入っているものです。無菌状態で常温で保存されているので粉ミルクのように湯で溶かし冷やす必要がなく、そのまま飲ますことができます。欧米では粉ミルクと同様に市販されていますが、これまで日本では販売されていませんでした(個人輸入は可)。
 最近とくに注目されるようになったきっかけは、2011年の東日本大震災です。
 当時、被災地で緊急避難してきた母親と子どもを収容する避難所では、乳児の栄養を確保する上で大きな課題が生じました。母乳による哺乳を続けることが困難な乳児、あるいはミルクで哺育中の乳児には、乳児用ミルクを緊急に確保することが最大の使命となったのです。しかし粉ミルクから乳児に投与可能なミルクを調整するには、湯を沸かす熱源、水、乳嘴(乳首)と哺乳瓶が最低限必要です。そのため、多くの避難所ではミルクを用意することができず、避難所の棚には多数の粉ミルクの缶が使用できないまま並べてある状況でした。とくに熱源の確保が最大の問題だったようです。一方、液体ミルクは容器自体が哺乳瓶の役割を果たし、乳嘴も付いています。このように乳児にそのまま使用可能な液体ミルクは、大規模災害時における乳児栄養の緊急確保に備え、常時備蓄しておくべき物品の一つとして脚光を浴びました。
●なぜ今まで日本で液体ミルクが普及していないのか?


 その理由は、厚労省の省令で、母乳代替食品は粉ミルク(調整粉乳)しか認めていないからです。省令では、粉ミルクの成分規格として「水分5%以下」と規定されています。したがって日本の乳業メーカーが液体ミルクを製造して販売することは不可能でした。
●液体ミルクの国内製造可能に
 さらに2016年の熊本地震を経て、大規模災害時の乳児栄養として液体ミルクを緊急に使用できるよう、あらかじめ体制を整備しておく必要性が強調されることになりました。事実、これまでに小児科学会をはじめとした関連学術団体や、母親を中心とした消費者団体が、緊急時に備えた液体ミルクの備蓄と利用について複数回にわたり、政府に要望をしてきました。これらの動きに答える形で、厚労省は2018年8月8日、乳児用液体ミルクの国内での製造、販売を可能にする規格基準を定めた改正省令を交付しました。これにより、今後は国内メーカーが商品化できるようになり、すでに国内粉ミルクメーカーなどが製造に乗り出す見通しとなっています。
2018年09月26日(水) No.858 (秋山先生(小児科)のコラム)

脱水、熱中症、熱射病の対処法


 この度は北海道胆振東部地震の被害に遭われ未だに不安や不便な生活が続き、まだまだ大変な日々をお過ごしの方もおられるかと思われます。心よりお見舞い申し上げます。
 もう、涼しくなって脱水の心配はそれほ..
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2018年09月26日(水) No.857 (原口先生(薬剤師)のコラム)